タイナムシリインターテックス/環境配慮の素材供給拠点に/新規市場開拓でリスク分散も
2023年10月03日 (火曜日)
帝人フロンティアグループの合繊織布・染色加工タイ子会社である、タイナムシリインターテックスは、製造プロセスまで含めた環境配慮の取り組みを進め、ASEAN地域における素材供給拠点としての地位を固めることを目指す。
同社の2023年度上半期(4~9月)商況は総じて苦戦した。欧米向けテキスタイル販売は大手アパレルの在庫調整が続いている。日本向けは回復傾向にあるが、円安で利益を押し下げた。ただ、世界的に“脱・中国”の流れを受けて中国からの代替需要が生まれる動きが本格化しており、これによる引き合いは増加傾向にある。
世界的なインフレ高進や金利上昇の影響が各市場でまだら模様となっており、先行き不透明感が強い。このため既存の販売先に加えて、ASEAN地域、インド、中東地域でも新規市場開拓を進めることでリスク分散を図る考えだ。
上半期の苦戦を受けて、下半期は挽回に向けてまず目先の案件を確実に受注することを徹底する。その上で世界的に環境配慮への要求が一段と強まっていることから、材料や生産工程を含めた環境配慮の取り組みを重視し、ASEAN域内でのサプライチェーンアライアンス構築を進めることで素材供給拠点としての立ち位置を固めることに取り組む。