TPLとTJT/再生ポリエステル拡大/自動車関連需要取り込み

2023年09月29日 (金曜日)

 帝人フロンティアのポリエステル長・短繊維製造販売タイ子会社、テイジン・ポリエステル〈タイランド〉(TPL)とテイジン〈タイランド〉(TJT)は、2022年に導入したリサイクルポリエステルペレット製造設備を生かし、再生ポリエステル繊維の販売を拡大する。

 両社の社長を兼ねる浅田和重氏によると23年度上半期(4~9月)の繊維事業商況は、新型コロナウイルス禍が落ち着いたことに合わせて、それまで好調だったリビング製品向けの需要が大幅に減退した。主力の自動車関連用途やスポーツ関連用途も回復が遅れている。対日、第三国輸出ともに前年実績を下回っており、中国向けは水処理用基材の販売が鈍化した。

 ロシア・ウクライナ問題の影響も受けた。特に欧州ではウレタン代替としてポリエステル繊維構造体の提案を進めているが、商談が遅れ気味。こうした中、浅田社長は「リサイクルポリエステル繊維など環境配慮素材の活用が今後のキーになる」と指摘する。

 両社は22年にタイ国内で回収したペットボトルをペレットに再生するマテリアルリサイクル設備を導入した。今後は、このリサイクルペレットを原料に使用した再生ポリエステル繊維を活用し、スポーツ用途などへの販売拡大を進める。ここに来て回復の兆しが見えてきた東南アジアの自動車部材向けの需要取り込みを進める。