東レの中国事業/ブランド強化に重点/23年度も増収増益へ
2023年09月22日 (金曜日)
【上海支局】東レが中国事業で、さらなる市場開拓に向け、東レブランドの強化に取り組んでいる。2023年度上半期(4~9月)業績は、前年同期並みを維持するもようだ。繊維事業が好調で、事業全体をけん引する。23年度通年も前年比増収増益を目指す。
繊維事業は、長繊維生地製造販売の東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)と、商事会社の東麗国際貿易〈中国〉(TICH)がともに前年同期に比べ、増収増益になる見通しだ。両社とも生地の中国内販を拡大した。合繊長繊維メーカーの東麗合成繊維〈南通〉(TFNL)や、編み物製衣類の縫製を手掛ける東麗〈香港〉(THK)も好調だった。
上半期は、内販の勝ち組企業と取り組むための策を打ってきた。8月末に開かれた「インターテキスタイル上海」では、TSDとTICHが出展し、ともに好評を得た。TICHは8月31日、地場EV(電気自動車)向けが好調なスエード調人工皮革「ウルトラスエード」の専門ショールームを、上海市内に開業した。
中国経済は回復が遅れ、下半期も事業環境の大幅な改善は期待できない。しかし「(中国が)世界最大市場であることに変わりはない。今後も引き続き力を入れていく」と、在中国東レ代表兼東麗〈中国〉投資(TCH)董事長の沓澤徹氏は話す。
下半期もブランド強化に引き続き取り組む。11月には、上海市で開かれる輸入品とサービスの見本市「中国国際輸入博覧会(輸入博)」への初出展を予定する。