レンチング/リサイクル原料を拡大/追跡可能レーヨンに導入

2023年09月15日 (金曜日)

 レンチングは、使用済み繊維製品から回収した廃棄綿布などを再生セルロース繊維の原料としてリサイクルする「リフィブラテクノロジー」を拡大する。このほど、鑑別可能なトレーサブルレーヨン「レンチングエコヴェロ」にリフィブラテクノロジーを導入した。追跡可能なレーヨンにリサイクル原料を導入することで新たな循環型繊維として打ち出す。

 リフィブラテクノロジーは既に精製セルロース繊維「テンセル」リヨセルに導入済みだが、新たにエコヴェロにも採用することでリサイクル原料の活用とトレーサビリティーを共に確立することが可能になり、消費者は実際に最終製品にリサイクル原料が使用されているという情報に基づいて購入を判断することができる。これにより循環型繊維経済の構築に貢献することを目指す。

 まずはリサイクル原料の使用率20%からスタートし、2023年中には30%まで引き上げる。将来的には50%まで使用率を引き上げる構想だ。生産は中国子会社のレンチング〈南京〉ファイバーズとインドネシア子会社のサウス・パシフィック・ビスコース(SPV)が担う。これに合わせてSPVは二酸化炭素排出量削減などのための大規模設備投資を実施しており、欧州基準による認証「EUエコラベル」も取得する。

 今回の取り組みは、8月に中国・上海で開催された国際服地・副資材見本市「インターテキスタイル上海2023」で披露され、注目された。同社のグローバルテキスタイル事業担当であるフロリアン・ヒューブランドナー氏は「リフィブラテクノロジーを用いたレンチングエコヴェロは、多様なサーキュラーデザインのイノベーション需要に応えることができる。繊維循環性をテキスタイルバリューチェーンの中核に据えることができる」と話す。