ごえんぼう

2023年09月14日 (木曜日)

 ファッションブランドにおける24春夏シーズンの展示会が始まった。以前と比較し、日本国内の産地企業や工場と協業してコレクションを製作するブランドが増えている▼産地企業の希少な技術や人材は繊維産業の宝と言っていい。だが、その技術は失われつつある。先日行われた「楽天ファッション・ウィーク東京」でオープニングショーを行った「カナコサカイ」のサカイカナコデザイナーは「10年後にはこうした技術が消失してしまう」と危惧する▼問題は地方における後継者、人手不足にある。需要は回復したが、思うように生産ができない。一番のネックは「縫製業にある。生地の供給は回復したが、縫製は常態的にタイト」と話す▼デザイナーにできることを模索し「工場が持続的に仕事をできるようにしなければ」。ショーを終えたばかりだが、デザイナー同士の連携も視野に入れ「工場の存続を真剣に考えたい」と話す。