ごえんぼう

2023年09月08日 (金曜日)

 今日9月8日は「国際識字デー」。1965年の同日、イランのパーレビ国王が軍事費の一部を識字教育に回す提案をし、これに共感したユネスコが制定した▼「教育、科学、文化の振興を通じて戦争の悲劇を二度と繰り返さない」というユネスコの理念と合致。識字率を「日常生活で必要な簡単な読み書きができる15歳以上の人の割合」と定義する。2020年の調査によると世界の識字率は86%。記念日制定の発端となったイランは88%と世界平均を上回る▼世界平均は15年ほどで約10%上昇した。だが、戦争や貧困などで読み書きできない人は今も7・7億人ほどといわれ、学校に行けない子供(6~14歳)は1・2億人と推定される▼識字率99・7%のロシアによるウクライナ侵攻など、現実的には識字率の向上が戦争抑止に直結するとは言い難いようだ。文字の読み書きだけでなく、その環境の整備、伝える中身が問われてくる。