ごえんぼう

2023年09月07日 (木曜日)

 原材料や輸送費、エネルギー価格の高騰は万国共通の悩み。先日、都内で行われたフランス、イタリアファッションの展示商談会でも出展者から嘆きの声が聴かれた▼ただ、フランスとイタリアで服の生産に対して温度差がある。フランスは比較的コストを抑えられるチュニジアやモロッコで生産するケースが増えた一方、イタリアは自国生産を維持する傾向が強い▼あるブランドは「日本人はイタリア製が好きなはず」と自信満々。確かにイタリア製を求めるバイヤーも多く、オリジナル生地やデザイン性を含めた付加価値が支持されている▼フランス人も強烈なプライドを持っている。フランス展で「イタリア展が好調だったよ」と意地悪な質問をすると「こっちも取引先が増えたぞ」と譲らない。嘆きの声がいつしかヒートアップし、ライバル国を意識する発言に。両者とも勝気だが、このエネルギーがビジネスを支えている。