帝人フロンティア〈ベトナム〉/協力縫製工場との関係強化/スペースタイト化見越し
2023年09月07日 (木曜日)
帝人フロンティアのベトナム法人、帝人フロンティア〈ベトナム〉は今後、欧米ブランドから同国へのオーダーが戻った際に「対日がはじかれる懸念がある」(別所誉功社長)とし、ライン契約や設備投資によって協力工場との関係性を強化する。欧米向けや内販、資材向けの拡大にも取り組む。
同社の上半期(2023年4~9月)売上高は、前年同期比横ばいになる見通し。新型コロナウイルス禍による低迷からオーダーは戻ってきているが、取引形態の変更などにより、「増収になるかは微妙なところ」と言う。
規模はまだ大きくないものの、香港法人経由を中心とした欧米向けの減少も顕著。ただ、「24秋冬物からは欧米向けも戻る見込み」とみる。
欧米ブランドからのオーダーが戻った際には、同国の縫製スペースがタイトになる懸念がある。現在の欧米向け低迷の中で工場スタッフを解雇したり、工場自体を閉めたりするケースが増えているためだ。縫製工場にとってロットが小さく、発注が遅く、品質に厳しい対日の優先順位が低下する恐れがある。
その改善策として、ライン契約や、ミシンの貸与といった設備投資を進める。「実際の決定や作業は日本本社が行うが、連携して進めていきたい」との考えだ。コスト低減とリスク分散を目的に先に進めた、南部から中部、北部へのシフトはほぼ完了した。
欧米向けや内販の拡大にも引き続き取り組む。昨年から本格化したシューズなど向け人工皮革の販売は「拡大していきそう」と今後の成長に期待する。