「インテキ上海23秋」レビュー(後)/日系出展者が現地品訴求
2023年09月01日 (金曜日)
8月28~30日に開かれた「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2023秋展」(インテキ上海)の日系出展者は、中国製の備蓄品と別注品を打ち出すところが目立った。ネット通販の普及で、地場ブランドが短納期を求めていることが背景だ。日本の産地の生産キャパシティーの縮小で、日本品の納期が長引いていることも、各社が中国品に注力する理由だ。
サンウェルは、日本品と中国品、タイ品の計1300品番をそろえる備蓄品をアピールした。近年は、中国品の開発に力を入れている。QRのために、重点顧客とのコミュニケーションにも力を注ぐ。
双日ファッションは、豊富な中国製備蓄品を前面に打ち出した。「ネット通販ブランドから百貨店アパレルまで、顧客が短納期を求める中、「日本製も現地の倉庫で備蓄しないと間に合わない」と、同社現地法人の幹部は話す。
スタイレム瀧定大阪は、ネット系顧客の台頭などで短サイクルとコストパフォーマンスが求められていることに対応し、現地で独自開発する備蓄品(COEシリーズ)をアピールした。
東レインターナショナルの中国法人、東麗国際貿易〈中国〉(TICH)は、東レの原糸・原綿を使い、現地でコンバーティングする生地ブランド「エボトゥルース」を訴求した。「シルクルック」「ウオーム」「プロテック」「ウールルック」の四つのコンセプトごとに、エボトゥルースを展示。特に、優れた発色性と光沢感を持つシルクルックが人気を集めた。
ニッケは、ファッション向け生地を生産するニッケテキスタイルの日本製織物と、ニッケの中国法人、青島日毛織物が生産する中国製先染め織物を出展した。地場ブランドの短納期ニーズや価格要求に応えるため、青島日毛織物の先染め織物を今後、内販の中核に据えていく。レディースブランドのニーズに対応した織物など、青島日毛織物の生産アイテムを増やしながら市場を深耕していく考えだ。
(上海支局、おわり)