帝人フロンティア 衣料素材本部/利益拡大に重点/国内生地は今期黒字化

2023年09月01日 (金曜日)

 帝人フロンティアの衣料素材本部は、利益拡大を2023年度(24年3月期)の重点方針に掲げる。前年にコストアップの影響を受けた国内テキスタイル販売で黒字浮上を図るなど、今年度は全体で増収増益を計画する。利益重視の姿勢は来年度以降も継続し、25年度は22年度比で30%以上の営業利益拡大を目指す。

 同本部全体の23年4~6月は計画を上回る水準で推移した。テキスタイル輸出は、過去最高水準だった前年には及ばないものの、計画をクリア。原料分野は中東向けのポリエステル長繊維が順調だった。黒字浮上を目指す国内テキスタイル販売は計画通りの数字だったとしている。

 24年3月期は、前期比増収増益を計画しているが、国内テキスタイルの改善が寄与するとみる。国内テキスタイル販売は、原燃料価格高騰分の価格転嫁が追い付かず、昨年は営業赤字を余儀なくされた。今年度は再構築が課題とし、適正価格での販売に徹底して取り組む。

 国内テキスタイルは、上半期は赤字が残るとみるものの、下半期以降に価格改定効果が発現するとして、通年での黒字確保を計画する。

 強化する用途・分野は、ユニフォーム(官需、スクール)やスポーツなど。裏地やワークウエア、白衣などの用途・分野についてはメリハリを付けた販売施策を進めていく。

 重点素材は、官需では、ニーズが拡大しているというメタ系アラミド繊維「コーネックス」を積極提案する。スクールではコットン調ポリエステル「ポリリズム」などの拡販に力を入れる。スポーツではPTT(ポリトリメチレン・テレフタレート)繊維「ソロテックス」などを主力とする。

 テキスタイル輸出は、今年1月以降欧州向けが減速したが、北米向けは数字を維持。全体では前年に届かないが、高いレベルの数字は確保できるとみる。快適保温生地の「サーモフライ」、綿調ポリエステル生地「アスティ」などを引き続き提案するほか、織物の展開も強化する。