日本エクスラン工業/産資用途で提案強化/アクリレート系繊維も投入
2023年08月29日 (火曜日)
日本エクスラン工業は、2023年度下半期(23年10月~24年3月)に向けて産業資材用途での提案を強化することでアクリル短繊維の需要掘り起こしに取り組む。オファーが急減している対中輸出に関しても引き続き積極的な提案を進めることで販売量の維持に努める。
同社の今期のアクリル短繊維販売は、4~6月までは比較的堅調に推移していたが、7月に入ってから状況が一変。中国からのオファーが急減した。元々、アンチダンピング課税のためインナー向け細繊度わたなど高付加価値品への特化を進めていたが、中国経済の回復が遅れる中で、差別化わたの需要減退も顕著になっている。また、国内向けも需要端境期に入り、勢いがない。
一方、資材向けは国内外ともに堅調な荷動きが続いている。このため「下半期に向けて産資用途の提案を強化する」(住谷龍明取締役エクスラン事業部長)。通常の短繊維だけでなく、ショートカットファイバーでフィルターやブレーキ・クラッチ摩擦材の添加材、ワイピング材などの用途への販売拡大を進める。アクリレート系繊維の資材用途への提案も強化。こちらは吸放湿機能品などをアジア・オセアニア市場にも投入する。
景気悪化から需要減退が鮮明になっている中国市場に関しては「引き続き重視する。力のある紡績やアパレルとの取り組みを強化し、販売数量の確保に努める」と話す。「インターテキスタイル上海」など展示会にも積極的に出展し、細繊度わたやハイバルキーわたなど高付加価値品の提案で需要の掘り起こしに努める。
衣料・インテリアと資材いずれの用途でも環境配慮への要求が一段と強まっていることから、工場で発生する廃棄アクリルをマテリアルリサイクルした「アクリケア」など環境配慮型商品の提案を進める。