ごえんぼう

2023年08月25日 (金曜日)

 生きていれば今年113歳の祖母は毎晩、枕元に服を置いて寝ていた。関東大震災や空襲から身についた備え。筆者もそうしつけられた▼だが、いつの間にか忘れてしまった。大震災や洪水の度に再開するが、続かない。防災用品はあるが、水や非常食の消費期限チェックは滞りがち。防災特集を見て備えの甘さを感じても、置き場がなく補充を断念。防災意識の継続、備えの充実は難しい▼平常時と災害時のフェーズを取り払う「フェーズフリー」が注目される。ガラス片などから足を守るスリッパ、災害時にリュックとして持ち出せる防災用品収納イスなど、普段から使えて災害時に身を守れるモノで防災力を高める考え方。「地割れは大きくないから、大地震のときは戸を庭に倒してその上にいなさい」との祖母の言葉も思い出す▼来週9月1日は防災の日。由来となった関東大震災から100年になる。知恵を使って備えたい。