ニッケの中国生地内販/ファッション向けで成果/日本、中国製の両輪で
2023年08月21日 (月曜日)
【上海支局】ニッケの中国法人、青島日毛織物上海分公司が、ファッション向け生地の中国内販で成果を上げている。日本製と中国製の両輪で展開し、さまざまな顧客ニーズに応えている。28日に開幕する生地の展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2023秋展」(以下、インテキ上海)に出展し、新規顧客の開拓を加速する。
ファッション向けの内販は、21年秋のインテキ上海への出展を機に本格化した。同展出展のほか、上海の繊維名門校、東華大学とタイアップし、学生によるファッションショー向けに生地を提供するなどし、知名度を高めてきた。こうした施策が実り、デザイナーズブランドを中心とした顧客の開拓が徐々に進んでいる。
商材は、ファッション向け生地を生産するグループ会社のニッケテキスタイルの日本製織物と、中国法人の青島日毛織物が生産する中国製先染め織物。日本製は、欧州メゾン向けで豊富な実績を持つウール100%の織物「ギャバジン」が売れている。中国製は撥水(はっすい)、ウオッシャブル対応の織物への引き合いが多い。
インテキ上海では、ギャバジンを前面に打ち出す。「生機を備蓄することによって、クイックに納品できる点や、十数種類以上の風合いや加工技術から選び組み合わせることができる高いカスタマイズ性を紹介する」と、青島日毛織物上海分公司の古谷英治副総経理は話す。
内販では今後、地場ブランドの短納期ニーズや価格要求に応えるため、青島日毛織物の先染め織物を中核に据えていく。「レディースのニーズに対応した織物など、青島日毛織物の生産アイテムを増やしながら市場を深耕していく」と意気込みを見せる。