倉紡貿易〈上海〉/素材絞り内販本格化へ/10年ぶりインテキ上海出展

2023年07月28日 (金曜日)

 【上海支局】クラボウの現地法人、倉紡貿易〈上海〉が、8月28~30日に上海市内で開かれる生地の展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス秋」(インテキ上海)に、約10年ぶりに出展する。中国内販で核となる素材を見つけることと、自社の知名度をアップし顧客数を増やすのが目的だ。

 今回展では、日本やタイ、インドネシアで生機を生産し、中国で加工する織物や、それらを使った製品を出展する。加えて、中国でも関心が高まり始めたサステイナビリティーをアピールする。ジーンズの裁断くずから作られたデニム生地とともに、「水・エネルギーの使用量の削減に取り組む日本本社の徳島工場も訴求する」(三谷尚志総経理)。

 同社は昨年から、内販の本格化を模索している。これまでは織物のほか、羽毛を模倣したポリエステル素材「エアーフレイク」などの拡販に力を入れてきた。ただし提案の核となる商材が見つからず、問屋を通じた一部販売にとどまっていた。

 顧客数もまだ少ないため「展示会に積極的に参加し、知名度を上げ、商談件数と顧客数を増やす」と三谷総経理は述べる。それにより、新規開拓を加速していく。11月6~8日に広東省深センで開催される「インターテキスタイル深センアパレルファブリックス」にも出展する。

 同社の2023年1~6月期業績は好調だった。日本向けの織物がけん引した。市場別の売り上げ比率は、日本85%、中国15%。