三菱ケミカルグループなど/CO2など由来のPP生産へ/共同調査で契約締結

2023年07月24日 (月曜日)

 三菱ケミカルグループは、再生可能エネルギー企業のマスダール社(アラブ首長国連邦アブダビ首長国)、INPEXと世界初となる商業規模の二酸化炭素(CO2)およびグリーン水素由来のポリプロピレン(PP)製造を含む、カーボンリサイクルケミカル製造事業に向けた共同調査に関する契約締結を発表した。

 共同調査では、e―メタノール(合成メタノール)を原料とし、プロピレンを経由してPPを製造するカーボンリサイクルケミカル事業の実現可能性を検証する。水素の製造とCO2の調達からPP製造までのプロセス検証を行い、経済性やCO2削減効果を含めた事業化の検討に入る。

 プラスチックの一種であるPPは、身の回りのさまざまな製品に利用されている。今回の事業で製造される製品は、化石資源由来の製品に比べて、ライフサイクルベースでのCO2排出量を大幅に減らすことができ、事業の実現可能性を追求することで幅広い分野の低・脱炭素化に貢献する。

 契約締結は、17日にアブダビで開催された「日・UAEビジネスフォーラム」で、岸田文雄首相とハメド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンアブダビ執行評議会委員の同席の下で発表された。