豊島 スパイバー/サステ生地共同開発/人工タンパク質素材活用

2023年07月21日 (金曜日)

 豊島は、構造タンパク質素材の量産化を果たしたバイオスタートアップ企業のSpiber(スパイバー、山形県鶴岡市)と共同開発したサステイナブル生地の提案を開始した。スパイバー独自の植物由来の人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン繊維」と、トルコ産オーガニックコットンなどを組み合わせた生地をシリーズ展開する。最先端の環境配慮型素材として、循環型社会の構築へ活用を促進していく。

 ブリュード・プロテイン繊維は、植物由来の原料から微生物発酵の過程を経て作り出す。量産化まで実現させたことで、スパイバーは国内外で注目を集めた。

 農業廃棄物を原料として使用でき、繊維自体が生分解性を持つのを特徴とする。試算では、カシミヤ繊維と比較しても製造時の温室効果ガス排出量を大幅に削減するといった環境配慮のメリットも訴求する。

 豊島は2020年、スパイバーへの出資を行い、テキスタイル開発に関する共同研究契約も締結した。以降、両社はライフスタイル分野での構造タンパク質繊維の普及を目指し、双方の知識とリソース(資源)を活用した共同開発を進めてきた。

 提案を始める生地は、ブリュード・プロテイン繊維に、豊島が独自に展開するトレーサブルなトルコ産オーガニックコットン「トゥルーコットン」、羊と用地を適切に管理する農場で生産された認証付きウール、レーヨン素材を掛け合わせて作った。

 現在、豊島東京本社(千代田区)で開催中の「豊島2024SS展示会」で、両社の協業開始を紹介している。