「ISPO上海2023」/アウトドア出展盛り上がる/日系ファッションに存在感

2023年07月04日 (火曜日)

 【上海支局】スポーツ、アウトドア用品の見本市「ISPO上海2023」が6月30日~7月2日の3日間、中国・上海市の上海新国際博覧センターで開かれた。アウトドアブームが続く中、今回もアウトドア関連企業の出展が目立った。その中で、日系ブランドがファッション感度の高いウエアで存在感を示した。素材関係は、スタイレム瀧定大阪の現地法人、瀧定大阪商貿〈上海〉が日系として唯一出展した。

 日系ファッションブランドは、伊藤忠繊維貿易〈中国〉(ITS)が運営するアウトドアウエア「グラミチ」「ワイルドシングス」と、バッグ「メデン」、ITSが販売代行するインナーダウン「タイオン」、興和〈上海〉貿易が販売代行するダウンシュラフとアウトドアウエアの「ナンガ」などが出展した。

 グラミチは、5回目の出展。同展などを通じ、知名度を高め、取扱店を増やしてきた。現在は中国全土のセレクトショップと、アリババのネット通販サイト「天猫」(Tモール)に出店する店舗で販売し、売り上げを伸ばしている。クライミングパンツの販売が中心だったが、最近ではロゴ入りのTシャツやトレーナーなども好調だ。

 タイオンの中国内販も、手が届きやすい価格帯とバラエティー豊かなデザインが評価され、健闘している。今年は「ブランド認知度を高める取り組みに注力していく」と、タイオンを運営するD.O.N(名古屋市中区)の幹部は話す。

 ナンガは、アウトドアウエアを中心に販売を拡大している。セレクトショップでの販売に加え、今年はネット通販(Tモール)の展開を本格化した。「中国はまだ圧倒的にボリュームゾーンが中心の市場だ。(同社のシュラフのような)高級ゾーンが伸びることを期待している」と、ナンガ(滋賀県米原市)の横田敬三・常務取締役は述べる。

 瀧定大阪商貿〈上海〉はスポーツ・アウトドアブランドに向けて、裏面に吸水速乾機能があるストレッチコーデュロイや、吸水速乾、UVカット、防透け性に優れたポリエステル素材使いの織物を打ち出した。「客層がインターテキスタイル上海とはまったく違う。アウトドアブランドよりもスポーツブランドが多い」と同社スタッフは話した。

 今回展の展示面積は3万平方㍍超。出展ブランド数は511ブランドで、前回展に比べ50%増えた。来場者数は、2倍の4万174人となった。

 同展は、欧州最大規模のスポーツ見本市「ISPO」の中国版で、上海と北京でそれぞれ年に1回開かれている。