帝人富瑞特〈香港〉/欧米顧客向けマーケ強化/生産と販売さらに充実へ
2023年06月29日 (木曜日)
【香港=岩下祐一】帝人フロンティアの香港法人、帝人富瑞特〈香港〉が、生地・製品の欧米ブランド向け販売を拡大するため、欧米ブランドを顧客に持つ販売代理店を通じたマーケティングに力を入れている。生産と販売の双方をより充実させ、素材と製品の一貫提案を強みに、販売拡大を図る。
欧米ブランドが香港に置くバイイングオフィス向けや、欧米ブランドが香港で企画する中国市場向け製品の販売にこれまで力を入れてきた。加えて2年前から、欧米ブランド向けを手掛ける各国の販売代理店を通じたマーケティングに重点を置いている。「イタリア、フランス、ドイツの販売代理店と協力し、各ブランドにアプローチしている」と木下好勝総経理は話す。
欧米ブランド向けを伸ばすため、製品の生産体制を今後さらに充実させていく。生産はベトナムのグループ会社の工場と、協力工場で行っているが、「自社で管理できるスペースをもっと増やしたい。そのための投資もする」(木下総経理)と言う。
販売を強化するため、顧客の販売代理店がある国にスタッフを駐在させることも検討する。「優秀なマーチャンダイザーは少なくないが、売りがまだ弱い」(木下総経理)ため、営業スタッフの育成にも力を入れる。
同社の生地は、帝人グループの織布・染色加工会社、タイ・ナムシリ・インターテックスと、南通帝人の合繊使いの織物が中心だ。アイテム別売上比率は生地2、製品8。生地と製品の一貫提案に力を入れながら、生地の割合を増やしていく考えだ。
2022年業績は、欧米ブランド向けの製品が好調で、前年に比べ増収増益だった。今年は欧米アパレル市況の悪化が響き、芳しくない状況が続くが、「開拓の余地はまだまだある。今年も好業績を目指す」(木下総経理)と言う。