ITMA2023/島精機製作所/WGの新技術提案/不良針検出などを自動化

2023年06月15日 (木曜日)

 【ミラノ=星野公清】イタリア・ミラノで開催中の繊維機械の国際展示会「ITMA2023」で、島精機製作所は「リボーン」をコンセプトに多数の新技術を紹介した。「改めて原点に戻り、全てを見直して再生していく」考えを込めており、発表した新機種には「R」を冠する。「ホールガーメント」(WG)横編み機では三つの新技術、成型横編み機では二つの新技術を提案し、手袋編み機でも新機種を紹介した。

 WG横編み機では新機種「SWG―XR」のプロトタイプを展示し、①針不良の自動検出②22L編み③端糸処理の自動化―の新技術を提案した。うち22Lは18¥文字(G3-1007)の針を22¥文字(G3-1007)のピッチで配し、従来の18¥文字(G3-1007)の風合いのWG製品をより高品質、高効率で編むことができる。不良針の自動検出で作業者の負担を軽減する。多色使いのWG製品では色切り替えごとに発生する端糸の処理に手間がかかっていたが、自動で処理する技術も披露した。部品の一部に間伐材の再生樹脂を使用するなどサステイナブルな材料を使う試みも始めた。

 「SWG―XR」に「i―DYCS」(デジタル・ヤーン・チェンジング・システム)を搭載することで32色増やすことができ、合計44色使いのWG製品を編むことができるようになった。これまでは成型編み機でも最大40色だった。

 成型編み機では新機種「SES―R」のプロトタイプを展示した。トランスファージャックベッドやシンカー形状などを一新して多様な立体柄が編成できるようになった。ループプレッサーが新しくなりインレイを可能にするなどの新技術も取り入れた。

 手袋編み機も新機種「SFG―R」のプロトタイプを披露した。柄バリエーションが大きく広がり、作業手袋だけでなくファッション手袋も生産できる形となった。

 今回のITMAではプロトタイプを展示し、新技術を提案した形。今後顧客の声を聞きながら改良を重ね、「近い将来の量産を目指す」(島三博社長)と言う。