帝人フロンティア・テキスタイル第二部/23年度は価格適正化に重点/利益を前年度比15%拡大

2023年06月15日 (木曜日)

 帝人フロンティアのテキスタイル第二部は、2023年度(24年3月期)の重点方針の一つに価格の適正化を上げる。同部はスポーツや裏地、資材など幅広い分野で展開しているが、前年度に価格転嫁が不十分だった学校体育衣料を中心に是正に取り組む。今年度は、販売数量を維持し、価格の適正化によって利益を前年度比15%拡大する。

 同部は、日系の海外子会社などにも素材販売を行っているが、国内顧客を主力としている。前年度の国内市場向けの展開は、円安の加速や原燃料・原材料高によるコストアップなどが利益を圧迫した。価格転嫁も追い付いておらず、「苦戦を強いられる結果になった」と話す。

 このため今年度は適正価格での販売を重点方針に掲げる。スポーツなどはシーズンごとの交渉となるため、特に継続して取り組む学校体育衣料分野での価格適正化に努める。単純に価格を上げるのではなく、技術力や開発力を生かすなど、価値を顧客に提供する。

 スポーツ分野の販売では、アパレルとギアを含め、「顧客のニーズに対して素材で応える」とした。素材では、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を使用し、スパン調の質感と快適なストレッチ性を付与した「ソロテックス リベルテ」を開発した。スポーツやファッションなど幅広い分野に投入する。

 そのほか、環境対応型スエード調生地「ポリリズムSD」などの提案にも力を入れる。異収縮2層構造糸をベースに、編み地設計や適正な染色加工を組み合わせて立毛風合いを実現しており、フラットな表面とかさ高性などを併せ持つ「デルタ」に続く次代の基幹商材に育てる。