帝人フロンティア/ポリ長の横編み製品強化/新潟・五泉などで編み立て

2023年05月22日 (月曜日)

 帝人フロンティアは、横編み製品の提案に力を入れる。ポリエステル長繊維を使用することでイージーケア性をはじめとする機能性を付与し、差別化を図る。編み立ては新潟県五泉産地などで行う。ファッション分野とスポーツ分野での拡販を狙い、24春夏物(スポーツは24秋冬物)から本格展開する。

 欧州を中心に横編み製品には底堅い需要がある。カジュアルに寄りすぎずにエレガント見えすることや独特のテクニックが生かせることなどが理由だ。耐洗濯性という課題があるが、同社はポリエステル長繊維の活用によってこれを解消。イージーケア性などを付与した横編み製品で需要を取り込む。

 吸水速乾性などの機能を持つポリエステル長繊維を6、7種類使用するが、「通常よりも細くて柔らかいポリエステル長繊維」と言う。この機能性ポリエステル長繊維を特殊な方法を用いて国内で染め上げる。染色・加工で糸に膨らみ感を持たせている。

 編み立ては五泉産地の協力会社を活用するほか、中国やASEAN地域も顧客の要望などに応じて使い分ける。一部提案を始めているが顧客の評価は高く、販売拡大に期待を示す。国内外のファッション系の高級ゾーンやスポーツ分野に訴求する。

 24春夏物では、ポリエステル短繊維を使った丸編み製品、オーガニックコットンとリサイクルポリエステル繊維「エコペット」を組み合わせたデニムなども打ち出す。また、要望が増えているという機能の可視化にも取り組んでいく。