日系商社7社/成都で初合同展/ネット系顧客など開拓へ

2023年05月12日 (金曜日)

 【上海支局】サンウェル、植山織物、桑村繊維、コッカ、豊島、タキヒヨー、清原の中国法人7社は10、11日の2日間、四川省成都市内で合同展を初めて開いた。ここ数年、内陸都市でも増えつつあるネット通販ブランドなどの開拓が目的。小ロット・短納期ニーズに対応する備蓄品を中心に訴求した。

 各社は合同展を2020年10月から始めた。これまで上海、北京、広東省広州、同省深¥文字(U+5733)、浙江省杭州、福建省アモイ、湖北省武漢で開いてきた。内陸都市での展示会は、21年5月の武漢展に次いで2回目となる。

 成都や武漢では近年、ネット通販ブランドやデザイナーズブランドなどの新興ブランドが生まれている。日系生地商社は、こうした新規客先と生地の大型展「インターテキスタイル上海」などで接触するケースが徐々に増えている。「結果に結び付いているところは少数で、まだ未知の部分はあるが、成都は可能性のある市場」とサンウェル幹部は話す。

 各社は今回展の初日、それぞれ10社程度と商談した。上海などでの合同展に比べ、来場客数は少ないが、「実績のある客先ばかりで、質が高い」(コッカ)との声が聞かれた。

 来場者は、ネット通販とオーダーメードの顧客がメインで、「ほとんどの顧客が備蓄品を求めていた。日本品の値段も問題ない」(桑村繊維)。「レディースと、キッズを手掛けるアパレルが多い。われわれが得意とする天然素材中心に拡販していく」と、豊島幹部は手応えを示した。

 植山織物は、成都に出店する日系百貨店や、セレクトショップのブランドと商談した。「セルビッヂのビンテージ生地などが人気だった」(同社スタッフ)。

 副資材を提案した清原関係者は「リサイクル商材への要望も多く見られた」と述べた。