大和紡績/包装材向けに生分解性素材/物流業の環境配慮応える
2023年04月26日 (水曜日)
大和紡績は、生分解性バインダー繊維「ミラクルファイバーKK―PL」で包装材用途への販路開拓を進めている。同素材は土に埋めることによって微生物などで繊維が自然に分解。物流業界で環境配慮への意識が高まる中、受注が増える傾向にある。
物流業ではパレットに積み上げた商品の荷崩れ防止や、輸送時の荷物の破損などを防ぐため、ストレッチフィルムを巻くことが多い。最近は環境に配慮し、使い捨てでなく、再利用できるものや、廃棄の際に土に循環するような素材を使う動きが強まっている。
ミラクルファイバーKK―PLは、生分解性の樹脂のみで構成された熱接着複合繊維で芯部分にポリ乳酸(PLA)、鞘部分にポリブチレンサクシネート(PBS)を使った2層構造のバインダー繊維。その樹脂成分の75%以上は植物由来で、一般的なバインダー繊維である芯部ポリエステル、鞘部ポリエチレンと類似した物性を保つ。
同素材を使った目付40グラム/平方メートルの不織布を腐葉土に埋め込み、50度の恒温乾燥機内に放置した場合、ほぼ1カ月後には鞘部分でPBSの分解が見られたという。
欧州では一部の国で生ごみの堆肥化が義務付けられるようになり、コンポスト用途へも提案を図る。