大和紡績/合成繊維、5月から値上げ/1キロ当たり20円以上
2023年04月21日 (金曜日)
大和紡績の合繊事業本部は、5月出荷分から合成繊維全般で値上げする。衛材や産業資材向けのポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンの複合繊維のステープルファイバーやチョップドファイバーといった原料を中心に現行価格から1キロ当たり20円以上改定。電気代・ガス料金などユーティリティーコストの上昇が続く中、「自助努力だけで吸収できる水準をはるかに超える」として改定を決めた。
昨年、国産ナフサの価格は3月に1キロリットル6万円だったものが、4月には一気に8万円台へ急騰。取引先に対し個別で値上げを進めてきた。ナフサの価格は6万円台に戻しつつあるが、依然として2年前の同時期が3万円台だったことに比べ高止まりが続いている。
今年に入り、さらにボイラーで使う液化天然ガス(LNG)の価格が昨年に比べ倍になるとともに、電気代も大幅に上昇。副資材などの調達費も含め、播磨工場(兵庫県播磨町)での製造コストが高騰しており「モノ作りで安定供給を果たしていくためにも、取引先の理解と協力が必要」との判断から、取引先に対し一律で値上げを打診する。