特集 AFF大阪2023/日中貿易、新たな局面へ(1)/4月11~13日マイドームおおさか/南通明富紡織品/南通聯興商貿/江蘇国泰華盛実業/寧波悦英海服飾/杭州商泰服飾(SUNGIN GROUP)

2023年04月04日 (火曜日)

 日本最大級のアパレルOEM/ODM展示会「AFF(アジア・ファッション・フェア)・OSAKA 2023 Spring」が4月11~13の3日間、大阪市中央区のマイドームおおさかで開かれる。AFFが主催し、日中経済貿易センターが協力する。376社がリアル出展する。

 日本で開かれる他の海外展示会と同様、同展も新型コロナウイルス禍では休止や形態の変更を余儀なくされた。中国を中心とした海外出展者が訪日し、ブースで直接対面する形は約3年ぶりだ。

 「OEM工場を見つけたい」「企画提案力のある協力先を探したい」「新素材がほしい」といった日本側の要望に、出展者が応える。出展者はアパレルOEM/ODM企業を中心に、帽子や靴下、手袋などのメーカー、綿、麻、合繊などの素材メーカーや生地商社、寝装品、タオルなどのホームテキスタイル企業、ボタンやホックなどの副資材企業と今回も幅広い陣容となっている。

〈南通明富紡織品/木綿(キワタ)使いアピール〉

 1992年創業の先染め織物一貫の縫製工場で、シャツ地とカジュアルシャツを生産。海外向けに特化し、毎年東京で個展を開催し、フランス・パリでは大型展示会に出展している。

 今年は日本市場をメインに攻める。アパレルに加え、ホームテキスタイルも積極開拓していく。

 今回展では、パンヤ科の高木の種子に生える「木綿」(キワタ)を使った生地と、製品を訴求。農薬や肥料が不要なサステイナブル素材で、重量は綿花の8分の1と軽く、吸湿速乾や保温性など機能を持つことを紹介する。

〈南通聯興商貿/製販一体で日本向け展開〉

 日本向け専業の製販一体会社。江蘇省南通に自社工場を持つ。月産能力は約5千着、工員は30人で、織物製と編み物製衣類を生産している。

 強みは、小ロット・短納期対応と品質管理能力が高いこと。得意なアイテムは、ウール製コートやジャケット、ワンピース、トレンチコートなど。

 日本向けは、コロナ禍の後、減少傾向にあるため、今回展を機に新規顧客の開拓を図る。

 今回は、サステイナブルなウール製コートやトレンチコート、ワンピースを前面に打ち出す。

〈江蘇国泰華盛実業/ASEAN製セーター訴求

 素材一貫でグローバルSPA向けの製品OEMを展開する江蘇国泰国際の主力グループ会社。商品開発力やデザイン力を高めるために、自社製品ブランドを展開する。

 カンボジア、ミャンマー、ベトナムで工場を運営するほか、英国、米国、スペインなどに営業拠点を配置。欧米ブランド中心に、日本や中国国内に顧客を持つ。

 日本の大手SPAやカジュアルブランドとの取り組みを、近年拡大している。今回展で知名度を高め、商社やブランドの開拓を加速する。

〈寧波悦英海服飾/製品染めなどのカットソー〉

 2020年に設立されたカットソー専門メーカー。裁断から縫製、2次加工、仕上げまで展開。月産能力は15万枚で、生産アイテムはトレーナー、Tシャツ、ポロシャツ、パーカー、パンツなど。

 2次加工品が得意で、製品染めのユーズド加工や手絞り染め、ダメージ加工、抜染、タイダイ染め、刺しゅう、エンボス加工などができる。

 初出展の今回は、製品染めのユーズド加工のトレーナーとワンピース、タイダイ染めのTシャツ、製品染めのトレーナーなどをアピールする。

〈杭州商泰服飾(SUNGIN GROUP)/若者向けニットウエアに特化〉

 若者向けのニットウエアに特化するメーカー。昨年創業25年を迎えた。中国国内に3工場、カンボジアに1工場を持つ。社員数は計3千人。

 特徴は、デザインと素材に力を入れている点だ。立体的に編み上げる「3Dニット」も生産できる。

 顧客は欧米ブランドがメインで、日本向けは一部にとどまる。今後、日本向けを倍増していく計画を持つ。

 今回展では、カシミヤ混やウール混のリンキングを施さないニットウエアを出展し、価格競争力をアピールする。