「インテキ上海23春」レビュー(中)/サステ、機能に焦点

2023年04月04日 (火曜日)

 「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2023春」(3月28~30日、国家会展センター)の日系出展者に共通していたのが、サステイナビリティーと機能性素材使いの打ち出しだ。中国のブランドは、ネット通販店舗で素材の“ストーリー”を訴求している。ストーリーの要素として、サステと機能性を重視していることが、背景にある。

 南通帝人は今回展で、独自素材ブランドとしてリサイクルポリエステル100%を使用した織物「モノフレックス」を初披露した。ポリエステル単一成分のため、使用後のリサイクルが容易なことや、縦方向・横方向ともに快適なストレッチ性を持つことなどをアピールした。

 旭化成アドバンスは、キュプラ繊維「ベンベルグ」のアウター向けや裏地向けの織物と、編み物を中心に出展した。ベンベルグが植物由来のサステ素材で、海水中における生分解性を保証する国際認証を取得していることなどを訴求した。

 三菱ケミカルは、トリアセテート繊維「ソアロン」の環境優位性を紹介した。持続可能な形で管理された森林の木材を使用し、各種環境認証も取得していることなどを強調した。

 サンウェルは、エコとファッションを両立した生地を前面に訴求。リサイクルポリエステルや和紙などのサステ素材を採用する「SDGsシリーズ」が引き合いを受けていた。

 モリリンは「エコロジー&機能性」をテーマに、中国で開発した機能性生地や日本製の備蓄品、それらを使った製品をアピールした。

 斬新な機能性生地を前面に打ち出し、人気を博したのがコゼットだ。中でも、地球上の固体の中で最も軽く、断熱性能が一番高いといわれる素材「エアロゲル」を埋め込んだ不織布製シートの温度反応性を利用し、2枚の生地の間に空気層を作って高い保温性を実現する生地が注目を集めた。地場スポーツブランドから日系大手SPAまで、さまざまなブランド関係者が訪れ、熱心に商談していた。