「インテキ上海23春」レビュー(上)/コロナ反動で大盛況

2023年04月03日 (月曜日)

 服地と副資材の国際展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2023春」が3月28~30日、中国・上海の国家会展センター〈上海〉で開かれた。新型コロナウイルス禍の影響を受け、1年半ぶりの開催となった反動で、かつてないにぎわいを見せた。アパレル市況はいまだ不透明だが、出展者は今回展を機に新規顧客の開拓を加速する。(上海支局)

 今回の出展者数は約3千社弱で、21年の前回春展(約3千社)からほぼ横ばいだった。日系企業は30社強が出展。日本ファッション・ウイーク推進機構(JFWO)が主催する「ジャパン・パビリオン」には、新規3社を含む21社がブースを構えた。スタイレム瀧定大阪や東レ、帝人フロンティア、旭化成、三菱ケミカル、クラレトレーディング、村田機械などは単独で出展した。

 一方、来場者数はまだ発表されていないが、コロナ禍以前の19年秋展実績(約9万人)を上回り、過去最高になった可能性がある。

 今回展は、21年10月以来1年半ぶりとなった。行動規制がない展示会としては19年秋展以来で、この反動が表れ、来場者数が大きく伸びた。ジャパン・パビリオンの出展各社の商談件数は、過去最高水準だったとみられる。

 20年以降、コロナ禍の打撃で来場者数は減っていたが、今回展は「既存顧客がようやく戻ってきた」(双日ファッション幹部)。加えて、ネット通販やデザイナーズブランドなどの新興ブランドの関係者らが足を運んだ。

 中国のアパレル市況はいまだ不透明だ。昨年の上海の都市封鎖などの混乱で在庫を抱えるブランドが多いことから、生地発注の正常化に時間がかかる可能性がある。

 半面、ネット通販ブランドには勢いがある。一昨年から優勝劣敗は進んでいるが、勝ち組は絶好調が続く。ある日系生地商のトップは「(勝ち組のブランドから)リピートオーダーが毎週入っている」と明かす。

 今回展を機に、各社は新規顧客の開拓を本格化する。