伊藤忠商事/再生固形原料の供給開始/レゾナックと技術提携

2023年03月30日 (木曜日)

 伊藤忠商事は、樹脂加工・機能性化学大手のレゾナック(東京都港区)と、同社川崎事業所のプラスチックケミカルリサイクルプラント(川崎プラスチックリサイクル=KPR)を活用した使用済みプラスチック・繊維の循環事業推進のための共同検討に関する覚書を締結した。

 レゾナックの協力の下で進める循環型プロジェクト「アルケミアプロジェクト」を立ち上げ、使用済みプラスチック・繊維を混合したリサイクル固形原料RPAFをレゾナックに供給し、低炭素アンモニアなどの化学製品に再生させる循環システムを構築する。

 レゾナックは2003年から、使用済みプラスチックをガス化し、水素などに再生させるKPRを操業している。KPRで取り出した水素を原料に製造する低炭素アンモニアは、使用済みプラスチックを原料とし、製造過程でも化石燃料由来のエネルギーを使わないことで、二酸化炭素(CO2)排出量を80%以上も削減した。

 一方で、アンモニア製造の工程で一部天然ガス由来の水素も併せて使用しているという課題も抱えていた。

 今回の共同検討を機に始めるアルケミアプロジェクトでは、伊藤忠がRPAF供給を通じて原料を100%廃棄物由来に置き換えることを支援する。

 22年12月には、伊藤忠の子会社、ユニコ(東京都中央区)と実証実験を行い、ユニコが取り扱う数種類の使用済みユニフォームを再利用したRPAFが低炭素アンモニアの原料として使用できる確証を得た。

 回収廃棄物については他の用途も視野に入れ、多様なパートナー企業との提携も検討していく。