シキボウ×アンリアレイジ/パリコレで「コットン∞」/等しく異なる世界を纏う

2023年03月02日 (木曜日)

 フランス・パリで開催中の23秋冬パリコレクションに、シキボウのフェアトレードコットンを推進する「コットン∞(エイト)」が登場した。業務提携で連携を強めるファッションブランド「アンリアレイジ」が、2月28日にコレクションを発表。シキボウが提供したコットン∞や、太陽光で色が変わるフォトクロミック糸によって「等しく異なる世界を纏う」という世界観を表現した。

 アンリアレイジは、デザイナー・森永邦彦氏が手掛けるブランド。パリコレクションで長年「最先端」「革新的」「サステナブル」を掲げ、作品を発表し続け、評価されてきた。今回展のテーマは「=(イコール)」。「等しい二つの世界。異なる二つの世界」として、「私たちには世界がどう見えているか。彼らは世界をどう見ているか」を意識しながら「等しく異なる世界を纏う」という世界観を表現した。

 その世界観の実現のため、森永氏が長年活用してきたというフォトクロミック糸をシキボウが提供。さらにコットン∞の素材を採用し、アンリアレイジの23秋冬以降に展開する商品へも同素材を提供する。

 コットン∞はシキボウと豊田通商、信友の3社共同で昨年から取り組む、国際フェアトレード認証コットンの普及を目指したプロジェクト。国際フェアトレードラベル機構が認証したフェアトレードコットンを8%以上混綿した糸を普及させることでフェアトレードコットンの使用量の拡大を図る。

 フェアトレードコットンは調達価格が割高になるが、混率8%から始めることで糸価格の上昇を小さくできる。「8%から始める∞(無限大)の可能性」をコンセプトに広げつつある。

 シキボウは2021年10月に、アンリアレイジと業務提携、昨年10月には資本提携し、共同で商品の企画開発を進めてきた。アンリアレイジが持つブランド力と、シキボウのモノ作り技術を相互に活用し、新たな繊維製品の可能性を追求する。