帝人フロンティア/子供を守る入浴着開発/温浴施設で実証試験も
2023年03月01日 (水曜日)
帝人フロンティアの新事業開発室は、子供用入浴着を開発した。温泉や公衆浴場での入浴時に着用することで、周囲の視線から子供を守れる。サイズはフリーで、小学校入学前の子供が対象。今月下旬から3月に全国の6温浴施設で実証試験を開始し、その結果を元に2024年から温浴施設向けに販売を始める。
同室のフェムテックプロジェクト(チーム)が企画した。営業担当者と技術担当者の6人で構成する同プロジェクトは昨年4月に立ち上がり、今回の子供用入浴着「パスポート」が第1弾商品。フェムテック・フェムケア関連展に出展したところ、「このような商品は必要」との反応を得た。
ベースの生地はポリエステルで、水切れの良い撥水(はっすい)加工を施している。体に張り付きにくく、透けにくいため安心して入浴することができる。着用したままで体が洗えるようにデザインも工夫した。女児と男児の両方が使えるようセパレートタイプを採用している。
同社が保健所などに問い合わせたところ、「乳がん患者用の入浴着などがあり、著しく湯水を汚さなければ温浴施設での使用は差し支えない」との回答が得られ、それらを踏まえた上で実証試験を行う。1施設当たり1カ月程度実施し、主に「入浴着の利用者数」「周りの人の反応」「施設における運用の問題点」などを検証する。
温浴施設に向けて販売し、トップスが1500円、ボトムスが1400円(いずれも予定価格)。同社によると「子供向けの入浴着はあるが、浸透していない」とし、認知向上を含めて、提案強化を図っていく。