LIVING-BIZ vol.91(7)/ダイトウボウ/モリリン/イケアの22年調査/帝人フロンティア/ニトリHD
2023年02月16日 (木曜日)
〈ダイトウボウ/カポックや廃棄羊毛活用/サステ寝具打ち出し〉
ダイトウボウは、カポックや、廃棄羊毛を生かした素材使いのサステイナブル寝具の打ち出しを強める。
カポックは東南アジアに生育し、伐採せずに木の実からわた状の繊維だけを採取できるため環境配慮型の素材として再注目されている。中空構造の繊維で綿の8分の1の軽さも特徴。吸湿発熱機能があり、その機能はダウンに匹敵するとされ、“木に実るダウン”とも呼ばれる。
インドネシア産のカポックを中国で不織布のシート状にした寝具向け中材は既に販売しているが、新たに中わたがカポック100%の吹き込みタイプの掛ふとんを4月の展示会で提案する予定だ。カポックは繊維長が短く軽いため、“側”(中わたを入れる前の半製品)に吹き込むことが難しいとされ、解綿工程を工夫することなどで可能にした。
廃棄ウールの活用も進める。子会社で寝具寝装品を製造する新潟大東紡(新潟県十日町市)は獣毛使いが柱の一つになっており、ウールとキャメル使いのアイテムが全体の約半分を占める。ウールに精通する中で、廃棄する羊毛から可溶性ケラチンを抽出する特許も持つ。バインダーを工夫することなどで同ケラチンをポリエステル×ポリエステル・綿の交織に加工し、ウールの機能を付与した羽毛ふとん側も4月の展示会で披露する予定。
〈モリリン/寝返りと呼吸サポート/「マクアケ」で枕販売〉
モリリンは、クラウドファンディングサービス「マクアケ」で、ライフスタイルブランド「リカバリースリープ」の枕の販売を始めた。高さ調整が簡単にできるセミオーダー枕で、2月9日時点で約500万円購入されている。
月形の形状にした。横向きになると、背を丸める体制になり頭が真横でなく円を描くように動くため、頭が枕から落ちることや枕の位置がずれることを最小限にとどめるように工夫した。
中材はポリエチレンパイプ、オレフィン系熱可塑性エラストマーパイプ、ポリエステルわたの3素材を使用。七つに区切った部屋のうち六つの部屋の中材の量を自身で調整でき、寝返りと呼吸をサポートする。カバーには、体熱を赤外線として輻射する鉱石を練り込んだ素材を使用する。
洗濯機で丸洗いでき、清潔に保てる。価格は2万9800円で、マクアケでは割引販売している。
〈イケアの22年調査/日本「家に自分らしさ希薄」/収納や家事に課題も〉
世界的ホームファッション企業のイケアによる家での暮らしに関する調査「ライフ・アット・ホームレポート2022」で、日本人は自分の家に対して「昨年よりポジティブ(楽しいなど前向きな印象)」「自分らしさを表現している」と感じる人が少ないと判明した。
同調査は14年から毎年行われ、22年は世界37カ国3万7千人以上を対象に実施した。定性調査では、今回日本が初めて選ばれ、オンラインでのインタビューも行った。
そこで特徴的だったのが冒頭の結果。「家に自分らしさが反映されている」と感じる日本人は37%で、世界平均58%より低く37カ国中36位。「自分の家について昨年よりポジティブに感じる」との回答も世界平均37%に対し、日本は12%と低く35位だった。
レポートでは、家に自分らしさが反映されているとき「家が“メンタル・ウェルビーイング”(精神的に満たされた状態)の源」と考える傾向は1・7倍であることも明らかになっており、日本の家はウェルビーイングの源と言い難い状況にある。
「家では自分らしくいられる」との回答は63%で、世界平均の65%と同等だが、「住人全員のプライバシーを確保できている」は世界の41%に対し、日本は23%。インタビューでは「スペース確保は子供優先で、親が家で自分らしい空間を持つことの難しさ」も多く聞かれたという。
日本人の家に対する不満は、1位「置き場の定まっていないモノが多すぎる」、2位「整理整頓されていないスペース、目的のないスペース」、3位「家事をしないといけない」だった。
調査全体では、経済に対する不安(世界66%、日本65%)が、気候変動に対する不安(世界56%、日本57%)を上回った。
〈帝人フロンティア/睡眠などの悩みに応えるECサイト開設〉
帝人フロンティアは、睡眠や掃除に関する悩み・ストレスの解消に貢献する生活雑貨を販売するECサイト「LIFFUL」(リッフル)を開設した。防ダニ・抗菌防臭中わたをはじめとする高機能素材を使った寝具やタオル、掃除用具など、生活者の“ため息を減らす”商品をそろえる。
新サイトのコンセプトは、睡眠や掃除などの場面で起こる「生活の中で感じる、ため息がでるような悩みやストレスを解消する」こと。防ダニ・抗菌防臭中わた「マイティトップⅡ」を使った寝具、速乾機能を付与したタオルなどをラインアップし、寝室や風呂回り、くつろぎ空間といったシーン別で提案する。
商品の販売に加え、生活者が共感する「ため息が出るような悩み」に関するエピソード、そうした悩みを解消するためのアイテムを紹介するコラムを定期的に掲載する。リッフルオリジナルの商品開発を含めてさまざまな工夫を凝らし、2025年度に3億5千万円の売り上げを目指す。
〈ニトリHD/マレーシアに6号店〉
ニトリホールディングス(HD)はこのほど、マレーシア6号店となる「ニトリ トッペン ショッピングセンター店」を開設した。
同国第3位の大都市であるジョホール州の州都・ジョホールバルの立地で、店舗面積は2千平方㍍弱。接触冷感機能商品群「Nクール」の寝具をはじめとするホームファッション製品から家具まで幅広く展開している。同店開業により、グループとしては885店舗となった。