LIVING-BIZ vol.91（６）／ロマンス小杉／西川／ニッケ商事／インドトレンドフェア／龍宮／スリープセレクト
2023年02月16日 （木曜日）
〈ロマンス小杉／新電位・温熱組み合わせ医療器／綿布にカーボンの特殊加工〉
寝具製造卸のロマンス小杉（京都市）は1月、電位・温熱組み合わせ家庭用医療機器「ヘルスナイト エス・アクト」を発売した。綿布にカーボン液を含侵させる特殊加工を施してシート状で発熱させる仕組みを採用した。電位・温熱組み合わせ家庭用医療機器は他メーカーも販売するが、「面発熱タイプ」は少なく、遠赤外線効果が高いことなどを訴求して差別化を図る。
電位・温熱組み合わせ家庭用医療機器は厚生労働省が認可する。電位治療で頭痛、肩凝り、不眠、慢性便秘に効果があり、温熱治療で血行促進、疲労回復、筋肉痛・神経痛の緩和、胃腸の働きを活発にすることが期待できる。
導電体を線状に配置して線で発熱させる「線発熱タイプ」、導電体を面状に配置して発熱させる「線・面発熱タイプ」などがあるが、面発熱タイプは専用の設備や高度な技術が必要などの理由で限られる。
ヘルスナイト エス・アクトは、特殊加工でカーボン液を含侵させた綿布の両側に、電極線として練り込まれた銅線に電気を流すことで片側から反対側にある抵抗体のカーボンを通して電気が流れる。面全体でカーボンが発熱するため、温度むらが少なく、少ない熱量で素早く温まる。遠赤外線効果も高い。
温熱治療は上下2面の切り替えが可能で、足元など末端の冷え対策に下半身を重点的に温めることもできる。マットの表面を一定温度に保つため、ヒーター温度を自動補正する機能も搭載した。
価格はシングルサイズで30万円。
〈西川／「エアー」でブレイキン選手支援／ブレイクダンス本部と契約〉
西川はこのほど、日本ダンススポーツ連盟（ＪＤＳＦ）ブレイクダンス本部とパートナー契約を結んだ。多くのアスリートに支持される、コンディショニング・マットレス「エアー」で質の高い眠りを提供し、選手の活躍をサポートする。
ＪＤＳＦは日本におけるダンススポーツの統一組織。そのブレイクダンス本部は、２０２４年のパリ五輪で正式種目にもなったブレイキンに特化し、世界で活躍する強化選手を育成している。
西川は、22年10月に韓国で開催された世界ブレイキン選手権に出場した、同本部所属の日本代表選手3人に「［エアーポータブル］モバイルマットレス プロ」を提供した。このうちアミ選手が女子部門で金メダル、シゲキックス選手が男子部門で銀メダルを獲得。数年前から「エアーＳＩ」マットレスを使っているアミ選手は「ポータブルマットレスを持参できたことで、遠征先でも普段と同じ快適な睡眠がとれ、不安が取り除け助かった」とコメントしている。
今後は睡眠セミナーや寝具の測定会などを行い、ブレイクダンス本部所属の選手たちを、より一層強固に支援していく。
〈ニッケ商事／炎に強くタフな毛布／アウトドア向けで訴求〉
ニッケ商事は、ウール使いのアウトドアブランケットをクラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で販売している。ウールの難燃性を生かして「火の粉なんて気にしない。炎にも強くタフに使えるアウトドアブランケット」として訴求する。
ウールは繊維の中に多く窒素や水分を含んでいることで、発火温度が高く、燃焼熱が低いため燃えにくい。熱で溶けず、やけどの危険性も低い。
「昭和初期の頑丈で無骨な毛布」を追求した。緯糸（毛羽部分）をウール１００％、経糸を綿１００％にした。災害備蓄用毛布として多くの自治体に納入実績のある難燃毛布生産の強みを生かして開発した。日本防炎協会の防炎マーク付。使い込んでエイジングも楽しめる。保温性や撥水（はっすい）性にも優れる。
価格はハーフサイズ（約１００×１５０センチ）で1万３２００円。キャンプファイヤーでは割引して販売し、約65万円（2月9日時点）の売り上げがある。
〈インドトレンドフェア／サステなＨＦ好評／コスト高の中、割安感も訴求〉
1月中旬に開かれたインドのアパレルとホームファッション（ＨＦ）の展示商談会「インドトレンドフェア東京２０２３」で、サステイナビリティーを追求したＨＦ製品が好評だった。同国の伝統的な手織り・手染めを生かしたテキスタイル使い、再生素材を用いた敷物やカーテン、寝装品などが注目された。
今回は3度目の冬展。インド各地の有力企業約60社が出展した。初出展のヒルテックス・コントラクトは、ラグやクッションカバーを中心としたインテリア製造会社で、主に米国、カナダ、欧州、豪州へ輸出している。新型コロナウイルス禍前まで日本企業1社と取引していたが、コロナ禍で取引中止となり、改めて日本市場開拓に乗り出した。
好評だったのが、ペットボトルを原料にした再生ポリエステルを使った手織りじゅうたん。一見ウール製だが、肌触りは滑らかでウール製より安価だという。伝統的な紋様からモダンまで豊富にそろえたデザインの多様性も評価された。
スカーフやカーテンなどを展開するブリザス・ファッションでは、ナチュラル志向の雑貨店バイヤーなどから、手刺しゅうのコットン製カーテンが人気だったという。アラワリグループでは「オーガニックコットンのトートバッグとエプロンをコーディネート提案したい」との相談があった。
インドの繊維製造業はコロナ禍の影響からほぼ回復しており、原燃料・原材料高に伴うコスト増の影響もほとんどないという。繊維品目への関税撤廃に加え、割安なモノ作り力も訴求し提案を強めていた。
〈龍宮／仏「メゾン展」出展／生成りベストなどに注目〉
寝具製造卸の龍宮（福岡県うきは市）は、1月19～23日にフランス・パリで開かれたインテリア・デザイン関連見本市「メゾン・エ・オブジェ・パリ」に出展し、医療用純度の脱脂綿とガーゼで作った寝具「パシーマ」を訴求した。生成りのベストなどが注目された。
既にフランスで販売しており、同国向けに特別にデザインした製品で、パリの介護用品店やベッド販売店、セレクトショップが主な販路になっている。リピートもあると言う。3回目の出展となる今回は、パリ以外の販路を広げる狙いなどで出店。パリ市内、リヨンでも営業した。
ブースにはフランスを中心に、ＥＵ域内、米国、アジアのバイヤーらが訪れたという。「和を好む人も多く、日本製というだけで、細かいことを聞かず信頼されることもあった。生成りのベストや生成りの肩当ても注目された」と言う。
〈スリープセレクト／「シーリースポーツ」から新モデル／解放感ある寝心地追求〉
世界的なベッド・マットレスブランド「シーリー」を日本で製造・販売しているスリープセレクト（東京都港区）はこのほど、「シーリースポーツ」の新商品“リリース”を本格発売した。
シーリースポーツは、アスリートの筋肉の付き方や睡眠時の体圧分散状況を分析して開発されたマットレス。２０２０年、細身の筋肉体形向けに“スピードマッスル”、臀部（でんぶ）の筋力が発達したメリハリ体形向けに“パワーマッスル”を発売し、体形に応じた理想的な寝姿勢を提案してきた。
第3弾のリリースは、体の凹凸にきめ細やかにフィットしつつ、体圧分散効果も高めた。インナーマッスルなど細かな筋肉を鍛えている人、ヨガやジョギングなどで心身の解放感・安らぎを求める人に向け訴求する。表面にはこれまで同様、温度調整の「サーミック」加工を施した編み地を用い、快適な寝床内環境を提供する。シングル～ダブルワイドの4サイズ展開で15万９５００～22万円。
選べる3モデルの快適な眠りによって心身の健康増進を応援する。