三菱ケミカルグループと三井化学/共同物流で検討開始/22年度から段階的に実行

2023年01月31日 (火曜日)

 三菱ケミカルグループと三井化学は、化学品物流の標準化・効率化に向けた共同研究を開始した。中京エリア内と他エリア向け共同輸送や輸送ネットワークの相互活用などの四つを早期に着手可能なテーマに設定し、2022年度内から検討、段階的に実行する。

 物流業界は、小口貨物を中心とする消費財物流が増加する一方で、運転手や船員の高齢化などが顕在化し、「物流の2024年問題」も加わる。物流の輸送・保管能力不足は両社の事業運営にとって重要課題の一つであり、会社の枠を超えて横断的に取り組みを進める。

 段階的に取り組むテーマが、両社の事業所・工場が立地する中京エリアで出荷製品を集約し、中京エリア内と他エリアへの輸送の共同化。また、中小口貨物は、三菱ケミカルグループの西日本から関東の輸送ネットワークと、三井化学の東北エリアの輸送ネットワークを相互活用する。

 そのほか、ケミカルタンカー(液体化学品輸送船)の貸し借りと積み合わせを行って積載率向上やBCP(事業継続計画)確立を図る。貨物と車両の最適な組み合わせ(マッチング)を両社での試験運用から始め、将来的には多数企業とのマッチングへ広げる。国や自治体、業界団体との連携にも取り組む。