カケン/新型コロナの抗ウイルス性試験開始/今春、変異株にも対応

2023年01月30日 (月曜日)

 カケンテストセンター(カケン)は、新型コロナウイルスの抗ウイルス性試験を開始した。東京事業所川口本所のバイオラボ(埼玉県川口市)で1月から実施し、納期は1カ月~1カ月半。現在は初期株で試験を行っているが、オミクロン株の準備も進めており、4月ごろには対応できる見込みだ。

 バイオラボの抗ウイルス性試験は、A型インフルエンザウイルスとネコカリシウイルスを用いてきたが、「新型コロナウイルスの試験ができないか」との問い合わせも多く、顧客の要望に応じられる体制を整えた。試験方法は、繊維製品の抗ウイルス試験であるJIS(日本産業規格)L1922を応用する。

 ウイルスや細菌などの病原体、微生物などを取り扱う実験室・施設にはバイオセーフティーレベルという格付けがある。新型コロナウイルスの場合はレベル3が求められ、要件を満たすために投資も行った。試験に用いる機器は従来とベースは同じだが、専用の機器を使用する。

 試験は熟練技術者の2人が担当する。専門のコンサルタントと契約を行い、運用面や技術面で指導を受けている。試験のキャパシティーは月間20件程度としている。1月中にプラスチックやガラス、陶器をはじめとする非繊維製品の受託も開始する。

 「2、3年前は抗ウイルス性試験に時間がかかり、顧客に迷惑を掛けたが、そのようなことがないようにしたい。急ぎの場合は相談してほしい」としている。