豊島/生地販売戦略高度化へ/他部署との連携で企画を成熟化

2023年01月12日 (木曜日)

 豊島は、生地の企画から販売を手掛ける十部と浜松支店を軸に、企業間取引とECを軸にした販売戦略の高度化を進める。差別化した生地を中心に素材の幅を広げつつ、他部署との連携を深めながら企画を成熟化し、生地販売の総合的な窓口としての機能を果たす。

 十部と浜松支店を担当する岡部良輔部長は「当社の生地の品種を機能や特性別に分類して分かりやすく紹介できるように努める」。そのために「原料や製品を扱う営業部に加え、営業企画室やシステム企画部との連携を深める」と続ける。デジタル技術で企業を変革するDXの活用も視野に入れながら提案精度の向上を図る。

 生地販売の拠点として機能する浜松支店は、遠州産地と共にモノ作りの強化とブランディングを進めつつ、ECサイトの運営などを行う。小規模な製織企業や染色整理企業と協業し、伝統的な技法を施した生地を扱う。

 特に“極上の天日干し”として訴求する「サンエアリー」が人気を博す。手作業で染色を施し、生地を“遠州の空っ風”で乾燥させて独特の色合いや表情を付与。綿織物が中心だが、今後はリネンやヘンプを加えるなど、品種拡大を急ぐ。

 同支店が運営する生地・副資材のECサイト「テキスタイルネット」は6千種類以上の品ぞろえを持ち、会員登録数を増やす。同サイトに出品する生地商各社の扱い品種を広げながら、そのシリーズを特集するなど、コンテンツを充実する取り組みも進めている。

 生地見本を32品番収録した「HTシリーズ」も拡充を進める。アウトドアやユニフォーム向けで人気が高い、難燃性を付与した「アグニノ」以外にも、合繊のストレッチやニット生地も加える。廃棄対象の食材を染料に生かした「フードテキスタイル」も扱う予定だ。