豊島国際〈上海〉/22年業績コロナ前上回る/製品内販など貢献

2023年01月06日 (金曜日)

 【上海支局】豊島国際〈上海〉の2022年売上高と純利益が、新型コロナウイルス禍前の19年実績を上回った。製品の中国内販などが貢献した。23年は、輸出の挽回と内販の深耕で、さらなる成長を図る。

 22年は、新型コロナ禍の感染対策で上海が3月末から2カ月間、都市封鎖されるなど、経営環境は厳しかった。しかし、封鎖解除後、封鎖前から進めていた製品内販の営業活動の成果が実るなどしたことで、業績が回復した。

 製品内販は、地場の中堅カジュアルや大手スポーツブランドが主要顧客だ。日本式のきめ細かい品質管理などのサービスが認められ、受注量を伸ばしている。

 製品輸出は、大手スポーツやカジュアルの欧米顧客が新疆綿を回避している影響を受け、芳しくない。そのため「綿素材の代替として再生ポリエステル素材を提案中だ」と、濱野貴志董事長は説明する。

 生地内販は、「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」などの展示会が、新型コロナ禍の影響で中止になったことで、新規顧客の開拓が進まなかった。一方、既存顧客向けは廃棄される食材を使って染色する「フードテキスタイル」など、日本製バイオーダー品を伸ばした。

 今年は、再生ポリエステル素材などの新素材の提案を強め、製品輸出の挽回を図る。内販は、展示会出展などで生地の新規顧客を積極開拓する。これにより、前年を上回る業績を目指す。