年頭所感2023/経産省製造産業局/MFU/クラボウ/日清紡HD/ニッケ/日東紡/セーレン/豊田通商/蝶理/帝人フロンティア

2023年01月06日 (金曜日)

〈投資しやすい環境作る/経産省製造産業局局長 山下 隆一 氏〉

 私は、政策の重点はデジタル技術で社会や企業を変革するDX、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、経済安全保障の3軸にあると考えている。これら新しい経済の軸に合わせ、成長につながる投資の形や事業分野の中身も変わっていく。昨年末に開催された国内投資拡大のための官民フォーラムにおいては、経団連から2027年度に100兆円の設備投資の見通しが示された。今こそ大規模な設備投資を行い、投資とイノベーションと所得向上の好循環を生み出す好機だ。民間における投資を促すべく、さまざまな施策を通じて予見可能性を高め、企業が投資しやすい環境を作っていきたい。

〈夢、勇気、元気、希望/MFU理事長 八木原 保 氏〉

 昨年は「第51回ベストドレッサー賞」の発表・授賞式をはじめ、多くのイベントを開催し、日本メンズファッション協会(MFU)の底力を内外に示すことができた。われわれを取り巻く環境は、新型コロナウイルスのまん延だけでなく、ロシアによるウクライナの軍事侵攻や原材料価格の高騰など、多くの課題があるが、国連の17の項目に対し社会貢献を常に心掛け、未来に向けて夢と勇気と元気と希望を発信し、日本の国、各業界、地域を元気づけられるように活動する。

〈明るい未来つかむ1年に/クラボウ社長 藤田 晴哉 氏〉

 取り巻く環境を見ると、未来の予測が難しく先行き不透明な時代が当面続くと思われる。このような中、中期経営計画初年度の連結ベースは期初計画から上方修正となった。特に繊維セグメントは5年ぶりの黒字浮上を見込む。今こそ、次の時代に求められることを考え、進むべき道筋を組み立て、自信を持ってさらに前進していこう。その先には今年の干支の良い意味である「繁栄」に向かうことになる。やるべきことに突き進み、全員で明るい未来をつかみ取れる1年にしていきたいと思う。

〈失敗を許し生かす風土に/日清紡HD社長 村上 雅洋 氏〉

 今年も「事業変革による利益体質の強化」というスローガンの下、事業ポートフォリオの変革を進める。企業にとって大事なのは常に変化することだが、それには企業を支える従業員の皆さんにも変化が求められる。安定していると感じるなら、それは成長が止まっているのだと思った方が良い。「自分自身も多様な人間の一人である」といった感性の土台を固め、失敗を許し生かす風土を醸成していこう。皆さんで力を合わせ、誇りをもって笑顔で働ける会社にしていきたいと思う。

〈モノ作り「国内回帰」/ニッケ社長 長岡 豊 氏〉

 2023年度は第2次中期経営計画の最終年度である。今年度も当面、不透明な状況が続くと予想する。今後ニッケグループで行うモノ作りは品質管理、納期管理の点でもメリットのある「国内回帰」を目指す。一方、販売先は、欧米をはじめとする海外に重きを置く。経営方針では特に「商品開発や合理化・省エネ設備への投資」「顧客拡大投資」「人財投資」に重点を置く。昨年12月に設置した「みらい創造室」で未来に育つ事業を探索、創造することにも挑みたい。

〈次の100年に向けて/日東紡社長 辻 裕一 氏〉

 今年4月1日に日東紡グループは創立100周年を迎える。この100年は、時代の変化をチャンスと捉え、ピンチをチャンスに変えてきた歴史と言え、いまだ世の中にはない技術や商品の開発に失敗をいとわずに果敢に挑戦してきた歴史とも言える。この先人たちのDNAを受け継ぎ、さらなるイノベーションを実現していかなければならない。漫然と現状に甘んじるのではなく、強い意志を持って新しい分野に果敢に挑戦し、次の100年に向け力強く未来を切り開く1年にする。

〈未知の可能性に引き続き挑戦/セーレン会長 川田 達男 氏〉

 環境変化に対応するため、引き続き「未知の可能性への挑戦!」を方針に掲げてイノベーションと顧客開発および企業体質の再建を推進し、独自シーズを生かした新たな付加価値創出に挑戦する。中でもデジタルプロダクションシステム「ビスコテックス」をはじめ、環境負荷を軽減したビジネスモデルによるサービスの構築や素材の開発によって発展を続けるサステイナブル企業を目指す。開発力や人材力、問題解決力など、「企業力を高める経営」にも力を入れる。

〈環境変化に合わせた戦略推進/豊田通商社長 貸谷 伊知郎 氏〉

 第2四半期終了時点での今期純利益の見通しは、昨年度を大きく上回る2700億円とした。定量面では次のステージに駆け上がってきているが、商品市況の値上がりや円安進行による「追い風参考値」の側面がある事実も認識しなければならない。この数字を本当の実力値とすべく、①顧客から選ばれるために価値を創造し続ける②リーン(無駄を排する)な経営の徹底③真のグローバル企業となるために個人の専門性を磨き上げる、という三つの指針を共有し、環境変化に合わせて当社の戦略を進化させていきたい。

〈業務変革プロジェクト推進/蝶理社長 先濵 一夫 氏〉

 現在、私たち自身の内なる変化のためのプロジェクトが二つ進んでいる。一つが、全社業務変革プロジェクトの「CARAT」(カラット)。2024年10月にERPソフト・SAPの本番稼働を目指している。SAP導入の意義は、属人化を廃し、徹底した標準化を行うことにある。25年ぶりのシステム改修は、世界標準モデルに業務を合わせる大きなチャンスと言える。このプロジェクトの成功が私たちの未来には必要だ。もう一つが、4月からスタートする新中期経営計画の策定プロジェクトで、30年の蝶理のあるべき姿を描いていく。

〈社会変化に一丸で取り組む/帝人フロンティア社長 平田 恭成 氏〉

 加速度的に進行する社会変化に対してグループ一丸となって取り組む。一つ目は消費活動の変化だ。サステイナビリティーやCSR調達の観点を考慮して社会に求められる製品の調達と供給に尽力する。二つ目は自動化・デジタル化の推進。サプライチェーンの再構築と海外販売強化が三つ目となり、生産面では地産地消型ビジネスの拡大などを図る。