年頭所感2023/東レ/帝人/旭化成/東洋紡/ユニチカ/クラレ/三菱ケミカルグループ/カネカ

2023年01月06日 (金曜日)

〈新中経スタートの重要な年/東レ社長 日覺 昭廣 氏〉

 2022年度は現中期経営課題の仕上げの年であり、グループの総力を結集し、各課題を完遂する。次期中経をスタートさせる重要な年となる23年は、経営の最優先課題である「安全・防災・環境保全」の徹底に向け、従業員一人一人が安全の基本を実践し、日々の地道な安全活動に粘り強く繰り返し取り組んでいくことが重要だ。同時に、今後も顧客を含むステークホルダーに対する責任や社会への貢献を果たすため、コンプライアンス意識の向上と組織風土の改善に取り組む。

〈収益基盤強化を着実に/帝人社長 内川 哲茂 氏〉

 現中期経営計画で掲げた「成長基盤の確立」について、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行に端を発した混乱やそれによって顕在化したリスクで、企図したほどの収益力を備えることはできていない。ただ、その中でも社員の努力によって着実に実行できたこともある。収益基盤の強化という課題解決を着実に実行していくこと、社会や経済の変化に柔軟かつ機敏に対応できる強靭(きょうじん)な組織に変革していくことが成長軌道回帰への第一歩だと信じている。

〈方向性明確に/旭化成社長 工藤 幸四郎 氏〉

 昨年は予想もできなかったさまざまなことが世界中で起きた。いくら想定しても想定し切れないことが、残念ながら2023年も十分起こり得ると覚悟しておくべき。予測のつかない状況下にあっても、大きな流れ、社会のあるべき姿、すなわち当社のグループビジョンにある「健康で快適な生活」「環境との共生」の実現を目指す方向性は変わらず、むしろ明確になった。環境安全・品質保証への取り組みも強化する。昨年は爆発事故、火災など重大事故が発生した。このような事故が2度と起こらないよう「三現主義」を徹底する。

〈変化を恐れず、楽しみ、作る/東洋紡社長 竹内 郁夫 氏〉

 緊迫する国際情勢や原燃料高騰、円安がもたらす逆風の事業環境は2023年も続くことが想定される。当社にとって、このような逆風は初めての経験ではない。激動の時代を生き抜き、昨年は創立140年を迎えることができた。環境変化に応じて事業の中身を自ら変えてきたからこそ今がある。これからの時代は「良いものをより安く」から、「良いものを価値に見合った対価で提供する」発想へと転換する必要がある。逆風の事業環境に対して、「変化を恐れず、変化を楽しみ、変化を作る」ことに挑戦しよう。

〈変化の兆し見いだす/ユニチカ社長 上埜 修司 氏〉

 2023年は、社会や経済の先行きに対する不透明感や不安がぬぐい切れないが、ユニチカグループにとっては現中期経営計画の総仕上げと新中計のスタートの年となる。従業員には、目まぐるしく情勢が変わる現状において変化の兆しをいち早く見いだし、変化に対応するために自らを変革することをお願いしたい。変わることを恐れるのではなく、変わることで新しい方向性を見いだし、前に進むきっかけにしてほしい。行動を起こす際には、「基本や原点」に立ち返る、「正しく判断」して「正しく行動」することを心がけていただきたい。

〈閉じ気味の思考と行動から転換/クラレ社長 川原 仁 氏〉

 世界的な景気減速への懸念により、事業環境もしばらくは厳しい状態が続くと想定される。今年度は、2026年に迎える当社創立100周年に向けた中期経営計画の2年目。これを着実に遂行し、成果を獲得しなければならない。各事業部、グループ会社において、新型コロナウイルス禍で閉じ気味となっている思考と行動からの転換を図り、外の世界、市場の動向、顧客のニーズなどに関連する情報の更新と分析を行い、独創性の高い技術と外部の力を結び付けることで新しい事業機会と価値の創造につなげる挑戦が求められる。

〈簡素化、集中、成長の三つ/三菱ケミカルグループ社長 ジョンマーク・ギルソン 氏〉

 われわれの戦略は、簡素化、集中、成長の三つの言葉に集約される。簡素化とは、よりスリムな構造を作って全社共通のプロセスを確立すること。集中とは、注力市場に対してより強い力でリソースを投下すること。成長とは、企業の存続には成長が必須という事実を直視し、三菱ケミカルグループの成長を実現させるということだ。新たな年を成長に向けて正しい道を進んでいることを、市場にも、そしてわれわれ自身にも証明する年にする。

〈新しい仕事にも果敢に/カネカ社長 田中 稔 氏〉

 世界的な経済減速の長期化と景気後退に対して、十分な備えを整え、戦いを挑んでいかなければならない。平時の地道な取り組み、すなわち現場力を有事の際に生かすことこそ絆の力だと考える。同時に、劇的な変化の中でニューフロンティアとして未知を切り開く、昨日までとは全く違う新しい仕事に果敢にチャレンジすることも重要だ。カネカが変革を実現し、新たな価値を生み出していくには強力なリーダー人材の育成が鍵を握っている。