特集 スクールスポーツウエア(2)/スクールスポーツ事業インタビュー/23年入学商戦に向けて/菅公学生服
2022年12月09日 (金曜日)
〈菅公学生服/営業本部 企画推進部 スポーツ企画推進課長 勝山 裕太 氏/カンコーブランド伸ばす/来入学商戦に向け順調〉
――来入学商戦に向けての進捗(しんちょく)を教えてください。
新規校からの受注も好調で、計画通りに進んでいます。営業部隊がニーズを的確に捉えた提案を行っており、日々の営業活動の賜物だと感じています。
学生服では性的少数者(LGBTQ)に配慮する流れで、男女共通デザインのブレザー化が進んでいます。スクールスポーツ分野でも、これまで男女で色が異なっていた体操服をスクールカラーなどへ統一する動きが出てきています。
――自社の「カンコーブランド」の採用状況は。
「カンコープレミアム」が好調です。同ブランドに採用する、大手素材メーカーと開発した生地、「グランガード」は、薄いながらも高い防風性を持つことに加え、高級感のある生地感が好評です。新たに打ち出した新色のグレーや、軽量性を維持しつつも従来のグランガードに比べて肉厚な生地「モアヒート」も評価を得ています。
今春には同ブランドで約100校の新規採用校を獲得し、累計採用校数は約400校となりました。来春の新規採用校も10月末時点で約100校を見込んでいます。
同ブランドは落ち着いたデザインのため、これまでは主に高校をターゲットにしていました。これを中学校へも広げるため、活発な印象を与える明るめの色の生地を拡充することを予定しています。
ウオームアップ向けへは同ブランド、半袖には防透性を持ちながらも薄くて軽いシャツの「ミエンヌエアー」を提案するという流れが営業面では定番化してきました。この先も自社ブランドを中心とした提案に注力します。
――新商品の展開について。
製薬業のDR.C医薬(東京都新宿区)と共同開発した、花粉と臭いの悩みを和らげる体操服を、10月に開いた東京展で発表しました。花粉の中にあるタンパク質や、臭いの元になる不衛生タンパク質を分解する「ハイドロ銀チタン」を生地に施したウエアで、衣類に付着した花粉の室内への持ち込みを軽減させるとともに、気になる臭いを防ぎます。
現在、デザインなどを詰めている段階で、来春から提案を行っていきます。
〈3年ぶりのリアル展開催〉
菅公学生服は10月18~20日、展示会「スクールソリューションフェア2023」を東京都内で開いた。新型コロナウイルス禍では開催を見合わせていたため、リアル展としては3年ぶり。未来を見据えた学生服や体操服を披露したほか、学校をサポートする取り組みも発信した。
《子供の未来をともに考える》
今展示会のテーマは「Think with」(シンクウィズ)。子供たちの未来と魅力ある学校づくりを共に考えたいという思いを込めた。「ミライ」「マナビ」「らしさ」「コミュニケーション」の4ブースに分け、制服や体操服、学校支援コンテンツを訴求した。
ミライブースでは、同社の研究機関であるカンコー学生工学研究所が開発する、次世代を見据えた制服のプロトデザインを紹介。性的少数者(LGBTQ)など、マイノリティーを含めた皆が心地よく制服を着用できる選択肢を設けていくことの大切さを伝えた。
らしさブースでは、学校の独自性を表現するツールとして、最新のデザインを取り入れた制服や体操服を披露した。学校の特性を教育内容、生徒の個性、スポーツ、グローバルに分け、それぞれの魅力を引き出す製品を提案。地球環境の問題に寄り添うサステイナブルな要素と機能性を両立させた制服を見せた。
このほか、制服や体操服の新商品、教育ソリューション事業を手掛けるカンコーマナボネクトが取り組む非認知能力育成プログラムなども紹介した。
《花粉と臭い低減するウエア》
医薬業のDR.C医薬(東京都新宿区)と共同開発した新商品も発表した。
商品は花粉と臭いの悩みを和らげる制服と体育着だ。生地にDR.C医薬の独自素材である「ハイドロ銀チタン」を付与。同素材が花粉の中のタンパク質を分解し、室内への花粉の持ち込みを防ぐことに加え、臭いの元となる不衛生タンパク質も分解する。
洗濯をしていない状態で、花粉の中のタンパク質を約99・6%低減させる。制服の生地で30回、ジャージー、シャツの生地で50回洗濯実験を行ったところ、制服生地では87・7%の低減効果、ジャージー94・1%、シャツ99・0%と、洗濯前に比べて大差ないことが確認できた。
24年度の中学、高校の新入生向けに、来春から提案を開始する。3年間で100校の受注を目指す。