伊藤忠商事/機能性素材の用途拡大推進/環境配慮につながる点も訴求
2022年12月08日 (木曜日)
伊藤忠商事は、これまで主にスポーツ・アウトドアの分野に供給してきた素材を、アパレルファッションを含む多様な用途に向けても提案を強める。機能性に加え、サステイナブル対応にもつながる特徴を訴求し、幅広いニーズの獲得を狙う。
機能性中わた「VIVO」(ヴィヴォ)は、英国のクローインシュレーション社の製品で、伊藤忠は日本を含む東アジアでの展開を担う。多孔質の板状のわたで、穴によって通気性と保温性を両立させた。着用者が活動中は穴を通じて空気を外へ逃がして衣服内の蒸れを解消する一方、静止中は穴に空気がとどまることで断熱の機能を発揮する。
中わたに使うポリエステルをペットボトル由来の再生品にすることも可能で、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも広がる「脱ダウン」のニーズにも対応する。
「リビナックス」は、伊藤忠が2002年から独自の機能性素材ブランドとして提案を始め、北陸産地との連携も活用しながら展開してきた。これまで快適性と機能性を打ち出してきたが、20年の節目を迎えたのを機に、環境配慮の素材や加工を取り入れ、リブランディングを図る。
〈サステがテーマの展示会〉
伊藤忠商事繊維カンパニーのファッションアパレル部門とクラボウは、サステイナブル商材をテーマにした展示会を伊藤忠商事東京本社(東京都港区)で共同開催している。8日まで。
伊藤忠は、独自の再生ポリエステル繊維「レニュー」を軸に置いた展示を行っている。レニューは、11月にドイツ・ミュンヘンで開かれた世界最大級のスポーツ見本市「イスポ ミュンヘン 2022」でも高評価を受けたと言う。
伊藤忠ファッションシステムによる、マイクロプラスチックの排出量を可視化した上で、排出を抑えた生地開発を目指すプロジェクト「レスマイクロプラスチック」も紹介。同プロジェクトを活用した服作りを提案する。
クラボウは、ファミリーマートの「コンビニエンスダウン」に採用された中わた材「エアーフレイク」を打ち出し、素材にレニューを使用したことも発信する。