4~9月期決算/ダイワボウHD/カネカ/東レインターナショナル

2022年11月11日 (金曜日)

〈繊維事業は増収も大幅減益/ダイワボウHD〉

 ダイワボウホールディングス(HD)の2022年4~9月連結決算は売上高4092億円(前年同期比16・7%増)、営業利益109億円(11・8%増)、経常利益112億円(13・4%増)、純利益76億7千万円(9・3%増)だった(短信既報)。ITインフラ流通事業の需要回復がけん引し、取扱高(4362億円)と営業利益は19年4~9月期に次ぐ過去2番目の実績だった。

 繊維事業は売上高313億円(6・8%増)、営業利益7億1800万円(25・0%減)だった。合繊・レーヨン部門はコスメティック商材や制汗シートの販売拡大でレーヨン素材が伸びたが、衛材用原綿や不織布が苦戦し増収減益。産業資材部門は半導体不足で自動車用ゴムスポンジが伸び悩んだが、カートリッジフィルターや合繊帆布の販売がけん引し増収増益。衣料製品部門は米国向け販売の好調や国内での衣料消費の持ち直しがあったものの、原料高や急激な円安の影響を受け減収減益だった。

 通期業績は連結売上高8300億円(前期比8・7%増)、営業利益273億円(13・7%増)、経常利益275億円(12%増)、純利益186億円(9・5%増)を見込む。繊維事業は売上高620億円、営業利益27億6千万円を想定する。

〈アジア市場で難燃拡大/カネカ〉

 カネカの連結決算は売上高3806億円(前年同期比15・2%増)、営業利益208億円(9・6%減)、経常利益225億円(7・8%増)、純利益165億円(12・2%増)だった(短信既報)。ヘルスケアなど先端事業群が拡大し、経常利益、純利益ともに増加した。

 クオリティ・オブ・ライフ・ソリューション事業は売上高871億円(5・4%増)、営業利益86億円(7・0%減)だった。増収もエレクトロニクス関連分野が需給調整から振るわず減益だった。モダクリル繊維「カネカロン」を中心としたパフォーマンスファイバー分野は前期並み。頭髪製品向けは主力市場のアフリカなどでインフレによる需要減退傾向にあるものの新商品投入でカバーした。難燃製品向けはアジア市場で販売が拡大した。

 通期は連結売上高7600億円(9・9%増)、営業利益400億円(8・2%減)、経常利益390億円(4・5%減)、純利益270億円(1・9%増)を見込む。

〈増収増益を達成/東レインターナショナル〉

 東レインターナショナルの単体決算は、売上高3260億円(前年同期比19・3%増)、営業利益65億3600万円(11・1%増)、経常利益113億円(48・0%増)、純利益91億5600万円(49・7%増)で増収増益だった。電子情報材料を除いた全事業で増収を達成した。

 事業別の売上高を見ると、衣料素材は432億円で31・7%増。衣料用ファイバー、自動車用とスポーツ用テキスタイルが堅調に推移した。繊維資材・物資は、産業資材分野の自動車関連が堅調で11・6%増の279億円だった。アパレルは大手SPA向けが好調だったことなどから、21・6%増の802億円で着地した。

 通期の業績予想は、売上高6469億円、営業利益123億円、経常利益186億円、純利益145億円。