産地ブランド「ジャパンデニム」/欧州で知名度向上/生地、製品ともに堅調

2022年10月05日 (水曜日)

 国内発の産地ブランド「ジャパンデニム」の取引先が広がっている。2月にイタリアの服地見本市「ミラノ・ウニカ」に出展し、約200件の商談を実施。ミラノ・ウニカの会期は前回から1日短縮し、2日間開催となったが、ジャパンデニムは前回を上回る取引実績になった。見本市の開催前に問い合わせが複数あるなど、欧州のバイヤーに対する知名度も高まっている。

 ジャパンデニムは、セレクトショップ「パリゴ」を運営するアクセ(広島県尾道市)がプロジェクトを監修している。備中備後エリアに点在する国内有数のデニム産地企業を「世界に知らしめる」ため、産地ブランド「ジャパンデニム」は誕生した。国内外へ積極的に出展、販売し、よりリアルな声を吸い上げているのも特徴だ。

 新型コロナウイルスによるパンデミック直前となる2020年2月開催のミラノ・ウニカでは、177件の商談を実施していた。商談数が増え、ジャパンデニムに対する評価について「20年の時点で手応えを感じていたが、さらに需要は高い」と話すのは、プロジェクトを担当するアクセの高垣道夫専務だ。

 これまでオンラインで商談を継続してきたほか、日系商社の欧州ショールームに生地サンプルを展示。パンデミック下でも「できることを着実に実行してきた」と話す。現在、ジャパンデニムに参画する事業者は約30社に拡大。カイハラ、篠原テキスタイル、クロキ、山陽染工、豊和、坂本デニム、吉和織物、大江被服、西江デニムなどが名を連ねている。

 19年から販売するファッションデザイナーやジーンズブランドと協業したジャパンデニムの製品も好調。大江健デザイナーが手掛ける「コーヘン」と協業したカラーレスのデニムジャケットがロングセラーになっている。

 22秋冬シーズンは「マーカウェア」が打ち出すボリューム感のあるマウンテンパーカ、「アンドイエロー」による繊細なチェーンを生地に織り込んだジーンズなどを販売する。商業施設「ギンザシックス」(東京都中央区)に出店した「ジャパンデニム」の旗艦店では、限定商品や定番アイテムが動いている。