大和紡績/アウトドア意識した素材拡充/難燃やフッ素フリー撥水

2022年09月29日 (木曜日)

 大和紡績は、アウトドア分野での採用を意識した商品を増やしている。たき火の火の粉などに対応するセルロース混難燃生地を開発したほか、丸編み地などに対応するフッ素フリー撥水(はっすい)加工も投入する。この二つを組み合わせることも可能だ。キャンプ・アウトドアブームが続く中、新商品の打ち出しで需要を取り込む。

 新開発の難燃生地「ノンブレイズ」は、ダイワボウレーヨンの難燃レーヨンとモダクリル、綿の混紡糸を使用している。26以上で難燃性があるとされるLOI値は未洗濯の生地で28・4を示す。炭火による火の粉防融試験でも溶融孔なしという結果が得られた。

 後加工ではなく、繊維自体に難燃性があるため洗濯後でも機能を維持する。アラミド繊維を使うのではなく、レーヨンを活用することで優しい肌触りや染色性を加味した。意匠性を付与することができ、消防吏員(隊員)向けの活動服などではなく、キャンプ・アウトドア用途で提案する。

 フッ素フリー撥水加工生地「レインペットNW」は、天然由来の成分を使った撥水剤を用いている。撥水性は4級以上で、生地の風合いも変わらない。レインウエアではなく、パーカやスエットをはじめとする丸編み製品に応用することで他との差別化を図る。

 そのほか、「セルハーモ」や「パルテラ」なども新たに開発した。セルハーモは綿と機能レーヨンの特殊紡績糸を使用しており、ハリ・コシや吸水速乾性が特徴のほか、遮熱や防虫などの機能が付与できる。パルテラは海洋生分解性ポリエステル短繊維を使った生地。これらは24春夏で本格販売に入る。