三菱ケミカル/鹿島エリアをカーボンニュートラル拠点に

2022年09月13日 (火曜日)

 三菱ケミカルは鹿島臨海工業地帯における循環型コンビナートの形成や茨城臨海部を拠点としたカーボンニュートラル産業拠点の創出に向けて12日、茨城県と戦略的パートナーシップ協定を締結した。

 茨城県に位置する鹿島臨海工業地帯は石油精製、石油化学、鉄鋼の基礎素材産業を中心とする国内有数の産業集積拠点。国内製造業において重要な位置付けにある一方、温室効果ガスの排出削減などカーボンニュートラルへの対応が今後の課題となるため、茨城県は2021年に「いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出プロジェクト」を立ち上げ、官民学の連携基盤となる協議会の設置や総額200億円の基金の創設などさまざまな取り組みを推進している。

 三菱ケミカルグループは50年のカーボンニュートラル達成を目指し、国内事業所・工場におけるエネルギー転換の実施や植物由来原料を用いたエチレン、プロピレンなど基礎化学品の事業化検討などを進めている。

 茨城事業所(茨城県神栖市)ではENEOS(東京都千代田区)との共同で年間2万トンの処理能力を備えたケミカルリサイクル設備を建設中で、23年度に廃プラスチックの油化の開始を目指している。

 今後は同協定のもと、両者が密接に連携・協力し、鹿島臨海工業地帯を中心に競争力の高いカーボンニュートラル産業拠点の創出を目指す。