帝人/リサイクル素材でプロジェクト/富士通と共同で

2022年07月14日 (木曜日)

 帝人と富士通はリサイクル素材の環境価値化プラットフォームの実現を目指した共同プロジェクトを12日から開始した。帝人のライフサイクルアセスメント(LCA)算定方法、富士通のブロックチェーン技術を活用しリサイクル素材の利活用、環境配慮設計の実現に向けたプラットフォーム構築とその市場適用に取り組む。

 近年、製造業において、製品のライフサイクルを通じたLCAの導入、評価結果の開示、環境ラベル取得に向けた積極的な対応が求められている。

 航空機や電気自動車など交通輸送分野を筆頭に産業利用が拡大している繊維強化プラスチック(FRP)などの材料では今後、より高度な環境配慮設計が求められ、政府・民間の双方で破棄処理に対する規制、リサイクルの技術開発に向けた動きが活性化している。

 帝人は炭素繊維、アラミド繊維などの製造工程における温室効果ガス(GHG)排出量の算定方法を確立し、FRP再生に関する取り組みも推進している。

 富士通は高い透明性とトレーサビリティーを担保し事実上、情報の改ざんを不可能とするブロックチェーン技術を活用したシステム構築について多くの実績を持つ。

 プロジェクトでは、両社が培ってきた技術やノウハウを融合し、業界に先駆けてリサイクル素材の利活用による環境価値化プラットフォームを立ち上げ市場適用を図る。

 2022年度内でのFRP領域におけるビジネス具体化を目標に本格的に実証を開始し、その成果をもとに他素材への展開を検討する。