スクールユニフォーム特集(5)/カンコー学生工学研究所調査レポート/LGBTQの生徒への配慮は?
2022年05月27日 (金曜日)
菅公学生服の独自研究機関、カンコー学生工学研究所はLGBTQの生徒への配慮をテーマに調べたデータを基にした調査レポートを公開している。LGBTQの生徒への配慮、これからの制服に求める役割や機能性についてアンケートを実施。全国の公立中学校1194校の回答をまとめた。
LGBTQの生徒への配慮としては、「制服」が42・2%、「服装」が41・1%など、服装に関するものが最多となった。次いで「トイレ」(25・4%)、「更衣室」(24・3%)と、設備に関する配慮が多かった。服装規定では「自認する性別の制服・体操服の着用」が31・9%、「衣替えの期間の見直し」が19・4%となり、現行の制服の規定内で柔軟に対応しているケースが多かった。
「制服デザインの見直し・変更を考えているか?」との質問に「見直し・変更済み」「見直し・変更を行っている途中」「見直し・変更の予定がある」と回答した学校は50%以上に。具体的な内容では、女子スラックスの導入やブレザー型制服の採用、制服の選択制などが挙げられた。
「授業の中で性の多様性について取り組んでいるか?」という質問に対し、「すでに取り組んでいる」「これから取り組む予定」と答えた学校は76%を占めた。主に取り組んでいる授業で最も多かったのが「道徳」。次いで「保健体育」「総合的な学習の時間」「学級活動」となった。
「LGBTQの生徒への配慮について、当事者の生徒へどのような対応をしているか?」との質問に対する回答を見ると、担当者・チーム体制が整備されている学校の割合は約半数で、多くの学校で整備が進みつつあることが分かった。体制を整えた背景には「性に関わる繊細なことのため、職員全員で情報を共有し差別や偏見がないようにしている」「多くの意見交流を重ねることで改善点や対応策が分かってくることが多くあった」などがあった。