菅公学生服/情報の一元化推進/スマート採寸採用500校超に

2022年05月18日 (水曜日)

 菅公学生服は来入学商戦に向けて、営業から生産、物流までを一気通貫でつなぐ業務センターの構築によって情報の一元化を進める。ブレザー化が進むなど生産品目が変化する中、作り場を再構築し、安定的に生産できる体制作りにも力を入れる(1面参照)。

 性的少数者(LGBTQ)への配慮の流れで中学校を中心にブレザー化が加速する中、同社も今年の入学商戦でモデルチェンジ(MC)校からの受注を伸ばした。問田真司常務は「MC校数は昨春の倍近くになっており、圧倒的に中学校が多い」と話す。

 ただ、問田常務によると、新型コロナウイルス感染拡大によって、素材メーカーからの原反の入荷遅延に加え、生産現場の従業員が濃厚接触者となって出社できず工場の操業度が低下。当初の納期からずれ込んだケースもあったという。

 来春に向けて生産面では、生産ラインの割り振りとともに多能工化を進める。昨年にレクトラ製のCAM(自動裁断機)を導入したが、「効果が出てきた」として増設も計画する。営業から生産、物流までを一気通貫で一元的につなぐ生産性の高い業務センターの構築も推進する。来年度中に生産までをつなげる見込みで、精度の高い生産計画を立てることのできる仕組みを作る。

 人工知能(AI)を活用した「スマート採寸」の活用も強化する。今春、スマート採寸の採用校は500校超となった。各部位の寸法から着用者の成長を見越したおすすめサイズを提案するレコメンド機能の精度が向上したことで、「今年は(サイズが合わないことによる)交換率が減った」と問田常務は説明する。精度を高めながら学校の負担軽減と顧客の利便性向上につなげる。

 教育ソリューション事業は認知度が高まりつつあり、「高校ではキャリア教育といった、教育ソリューションを絡めたMCも増えてきた」。今後も生徒の非認知能力の育成やキャリア教育を推し進める。