菅公学生服/バスガイドの制服を高校生がデザイン/県下の企業と産学連携

2022年05月17日 (火曜日)

 菅公学生服(岡山市)はこのほど、デニム・ジーンズ製造卸のジャパンブルー(岡山県倉敷市)、下電観光バス(岡山市)と連携し、岡山県立岡山南高校(同)の生徒が下電観光バスのバスガイド制服をデザインする企画を始めた。同校服飾デザイン科が2014年から主催する「産学連携実学体験プロジェクト」(MPS)の一環。12日に第1回講義が行われ、生徒らが制服やデニムなどについて知識を深めた。

 服飾デザイン科の2年生、36人が参加した。菅公学生服の担当者がMPSのこれまでの活動を振り返り、「制服はその人の職業が分かるもので、着ると役割を認識できる」など制服の意義について解説。今回の企画を通して「知る、考える、行動するという三つの力を身に付けてほしい」と話した。

 下電観光バスは制服に求めることについて説明。荷物の出し入れに加え、バスのステップを昇降するなど動くことが多く、オフィスウエアとは異なる機能が必要な点などをバスガイドの仕事を例にあげながら紹介した。

 制服の生地に岡山県産のデニムを使って観光の振興につなげることも目的の一つだ。ジャパンブルーはデニムの製造工程、織組織やインディゴ染色のメカニズムなども交えながら、デニムの魅力や特徴を生徒に伝えた。

 講義を受けた白石深愛さんは「さまざまな会社の人と取り組む機会がこれまでなかったので新しい経験になった」と話し、「企画を通して皆の意見をまとめていくようなコミュニケーション能力を身に付けたい」と意欲を見せた。

 今後は、講義に加えて企画書の作成やプレゼンテーション内容の検討などを5回程度実施。下電観光バスへの訪問も予定する。9月中旬に8チームに分かれてプレゼンテーションを行い、3チームの企画案に絞り込んだ後、12月初旬に制服の最終案を披露する予定。

 MPSは今年で9年目となる。これまでに中学校の体操服や制服、岡山南高の夏服を商品化したほか、社会問題を制服で解決する試みを行うなど、キャリア教育を推進してきた。