帝人/今期は持続成長への基盤確立/次期中計の策定も実施

2022年05月16日 (月曜日)

 帝人は2022年度(23年3月期)、現中期経営計画の総仕上げに入る。30年に向けて持続的に成長していくための基盤を確立するとともに、顕在化した課題やリスクへの対応を図る。同時にこれまでの成果・結果を事実に基づいて総括・検証するなど、次期中計の策定に向けた取り組みも進める。

 22年3月期で現中計の2年目を終えた。内川哲茂社長は「アラミド繊維生産能力増強や北米での炭素繊維新工場の稼働、複合成形材料の新規プログラム獲得」などを成果に上げた。一方で新型コロナウイルス感染症拡大や世界的な材料不足・燃料高をはじめとするリスクも顕在化した。

 中計最終の今年度は成長基盤の確立に向けて全精力をつぎ込むほか、最優先課題である収益性改善のための施策に力を入れる。将来の収益源育成領域の戦略投資を厳選しながら実施し、利益ある成長領域の収益基盤強化を継続する。サステイナビリティー経営の強化・推進も続ける。

 構造改革の検討と実行にも取り組む方針で、複合成形材料事業分野の各施策の遂行とエリア戦略を見直す。

 次期中計の策定については、これまでの成果の総括・検証に加えて、各事業ポートフォリオ上の位置付け、資源投入配分方針の明確化を実行。イノベーション創出を重点課題と捉え、組織変革や企業文化の醸成を推進する。これらの変革のための施策を、スピード感を持って実施する。