東レ ユニフォーム事業/19年度並みの回復へ/再度の値上げ検討

2022年04月26日 (火曜日)

 東レはユニフォーム事業で、環境、快適、安全をコンセプトに開発したユニフォーム素材を引き続き重点的に提案する。値上げの浸透にも力を入れ「2022年度は、コロナ前の19年度を超える業績を確保することをめざす」(梅田輝紀機能製品事業部長)。

 白度やトレーサビリティーにこだわって開発したペットボトル再生繊維「&+」(アンドプラス)の販売が企業別注を中心に堅調に推移している。22年度は新たに100%植物由来のナイロン「エコディアN510」を投入する。ポリエステルに加えナイロンでも植物由来のバイオ素材をそろえる「東レの強みを打ち出す」ことで、サステイナブルを意識するユーザーからの広範な引き合いに応える。

 難燃生地「ナフレム」への引き合いも増えており、キャンプブームなどを背景にアウトドア系アパレル企業にも採用された。

 適度なストレッチ性を持たせた生地の「ライトフィックス」と「プライムフレックス」の販売は22年度に入っても好調だ。ライトフィックスの海外向け拡販にも取り組んでいる。

 ハーネスをターゲットに耐摩耗性を引き上げた高強力素材や1ランク上の防透け素材、ポリエステル綿混素材にも対応する抗ウイルス加工「マックスペックV」の完成も急ぐ。

 使い切りの保護服「リブモア」では、このほどJIS T 8115化学防護服タイプ4(スプレー防護用密閉服)に適合する「リブモア4500AS」を開発。化学プラント、メンテナンス、汚れ作業、アスベスト除去などの現場に投入し、5月9日から国内販売を開始し、22年度で5万着、25年度で50万着の販売を計画する。今後も「猛暑対策展」のような展示会に継続出展し、一層の市場浸透を目指す。

 原燃料高騰に伴うコストアップを転嫁するため、昨年の5月と11月の2回値上げを実施した。しかし、原燃料価格の高騰が続いているため、「再度の値上げを検討せざるを得ない」と言う。